乾徳山
はじめに
梅雨の晴れ間に山梨の乾徳山に登った。ここは岩場が特徴でガイド本にアスレチック度★★とあった。
日程:6/13日帰り
登り:10:25~13:05(月見台を経由)
下り:13:20~16:10(国師ケ原を経由)
このところ6月は山梨の山に登るのが多い。時期的に夏山には未だ早いし、でも低山はもういいかって時期に丁度いいヤマが揃っているためか。昨年は釈迦ケ岳、一昨年は甘利山・千頭星山だった。何年か前の6月にも、笠取山とか登っている。山梨県側の清里から飯盛山へ初めて登ったのも6月だった。
6月の山梨にはいつもレンゲツツジが咲いている。タイミングが合わないと盛りの時期に出会わないけど、まあいい。今回も大平登山口には淡いオレンジの花が咲いていた。
<レンゲツツジ>
乾徳山の登山口
この登山口の景観は中々いい。目の前は視界良好でその先にこんもりした森が広がっている。これから緑の中に入っていくぞ! って雰囲気が良く出ている。
<登山口>
大平登山口は大平高原にあり開放的な所。Taxiの運転手さんに依ると、昔はこの標高1300m地点に牧場があったとか。今でも1家族だけ住んでいると聞いたが、牛も牧場もなく、全て太陽光パネルで埋め尽くされている。
<太陽光パネルだらけ>
高度を上げていく。最初の登りはきついけど後半は緩くなるので大丈夫。月見台を通って森を抜けていく。やや大振りのピンクの花びらが大量に地面に落ちている。ツツジかサツキか。前日の雨で殆ど落とされた感じだ。
扇平に出ると視界が開ける。山頂方面がスッと見渡せるし、斜面に並ぶ新緑の木々も眩しい。休憩している人もいれば、岩登りの練習している人もいる。
<<扇平>>
岩場の連続
ここを過ぎると山頂迄あと1時間の筈。でもこの1時間がこんな岩の連続で大変なのだ。頭をぶつけないように身を屈めて進む。
扇平を過ぎても最初のうちはまあまあflatな登り。昨夜の雨がよほど激しかったのか、ツツジのピンクだけでなくもみじの若葉もかなりの枚数が地面に落ちていた。
<若葉>
ここは流石に通り抜けられない。
<髭剃岩> <岩場が続く>
ロープとか鎖を垂らしてくれている箇所が7~8くらいあったんじゃないか。こんな所を登る。鎖場が2つ続いている所もあった。2つ目は左右に2本の鎖が置いてあり、左の鎖に捕まってみたが途中で断念。直立だよ、素人にはムリ。右側のに持ち替えて、今度はどうにか登る事ができた。妙義山より手間だった。
<鎖場>
傾いた岩の間も抜けていく。体がやや右に傾いた状態で慎重に歩き、その直後にこのハシゴを降りるのだがバランスを取りにくい。でも最後の難関はその先にある。
<<斜め岩に挟まれて>>
この花はあまり見かけないなあ。
<花>
山頂へ
山頂直下に一枚岩がほぼ垂直に立っている。これには参った。
<山頂直下の一枚岩をプロが降りてくる>
登ろうとしたが腕力がないので、体側を岩に付けておかないとどうにも体が安定しない。結局3mくらいでgive-upした。ちょうど山頂から下りてきた30代のヤマ屋さんにコツを教えてもらった。
・鎖を両足に挟んでないと体勢が安定しない
・尻が引けているので、もっと岩に近づけるように
・膝も含めて三点支持
Adviceには本当に感謝したけど、素人にはムリだったので迂回路に逃げた……。悔しいけどね。ようやく山頂へ。岩場の連続だっただけに、この乾徳山は達成感あり。自分は2031年になった時まだヤマに登っているのだろうか?
<2031mの看板>
<甲府盆地を見渡す> ※左下は私の指が邪魔してしまった
下山はのんびりと
下りは少し冷静になってピンクの花が残っているのを見つけた。山ツツジだろう。
<ツツジ>
扇平から国師ケ原に降りる。途中で鹿に出くわす。ガサゴソ言うのでこちらも容易に気付く。彼らはこちらの様子を窺いながら小刻みに逃げては、また止まってこっちを見てくれる。でも、カモシカ君とは行動パターンが違うなあ。
<<シカ2頭>>
【参考】かつて飯山で見つけたカモシカ
その周囲は1mないくらいの大振りの葉が茂っていた。里芋じゃないけど山菜なのか? 国師ケ原も開けているので若いシダ類が直立に立って陽を浴びていた。
<大きな葉っぱ> <若いシダ>
標高を下ってくるとまたハルゼミの鳴き声が聞こえてくる。これが心地いい。この時期に山に登ると結構この音に癒される。カエルでもないし鳥でもない。蝉にしては時期が早いと思うのが、5月の入笠山、6月の笠取山、釧路川など盛んに鳴いているけど、この鳴き声を聴いているだけでのんびりできる。
そこから少し歩いてレンゲツツジの咲く大平高原に帰着した。予定時間16:30より前だったけどtaxiが来てくれていてホッとした。ドライバーさんは70代だがtoughだ。高齢者運転が問題になっている昨今だが、オートマ車よりマニュアル車がbetterだと話されていた。
で、塩山駅近くの温泉・宏池荘で降ろしてもらう。入口が判り難く地元の人が殆どじゃないか。「大菩薩?」と訊かれたが、大菩薩峠に登った人もここでひと風呂浴びるんだと言っていた。入浴料は\400。ヌルヌルした鉱泉でサッパリできたし、流行の温泉施設よりいい所を開拓できた。