半年ぶりの天狗岳

登山日: 2019.7.下旬
泊まり: 夏沢峠・やまひこ荘

<<<やまひこ荘でリスと小鳥>>>

今年は3月に天狗岳(八ヶ岳)に登っている。2月まで雪は少なかったらしいけど3月になってドッサリ積もっていて、私が登った日も樹林帯を抜けると吹雪だった。詳細は以下参照。ただ、あまりの吹雪で必死。かつての夏道の記憶も朧げだったので、もう一度夏道を同じコースで登りたかったのだ。なので、北イタリア(ドロミテ)から帰ってきて、少ししたらまた登りに行った。

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12448108415.html?frm=theme

天狗岳に登るには、ザックリ4ルートある。一番popularなのは、黒百合ヒュッテから中山峠(or天狗の奥庭)を通って南進するもの。次が唐沢鉱泉から樹林帯を東に進んで西天狗に上がるルート。3つ目は夏沢峠(orオーレン小屋)から箕冠山と根石岳を経て尾根を北上していくルート、4つ目が本沢温泉の方から白砂新道を経て根石岳に合流するルート。既にのぼりかくだり、いずれかではこの4ルートを全て歩いている。ルートによる好き嫌いは人それぞれだが、私はやっぱり稜線歩きの方がいいので3つ目のルートが好みだ。

この日は、桜平(11:20、標高1800~1900m)から歩き始めて、夏沢峠(13:25、標高2433m)まで、小屋を通過する度に休憩しながらゆっくり歩いて3時間だった。とはいえ、ドロミテではスカスカのナップサックで歩けたので、ザックがやけに重たく感じる。

夏沢鉱泉でいきなりクマ情報があってビックリ。八ヶ岳には時々来ているけど、こうした貼り紙はこれまで見ていないなあ。だいたいクマが転落した後で無事だったのか読み取れないのも悩ましい。

<クマに注意>  <地滑り>

少し歩くと、土砂崩れの現場も。以前来た時には木が植わっていたと思うのだけど、思いっきり地滑りしていた。登山道にはかろうじて影響なし。と言うか小屋の方が整備してくれているお陰じゃないか。

八ヶ岳はコケの森と言われている。オオシラビソも今年伸びた先端部は淡く若々しい色合いだ。

<<緑2種>>

夏沢峠は標高2400mくらい。硫黄岳(南八ツ)と箕冠山(北八ツ)に挟まれた分岐点。硫黄岳から下りてきた人が何名か休んでいた。まだ14:00くらいだったので、小屋にも一番乗り。この日の泊まり客は他に3人組の登山歴30~40年のベテランさんだけだった。

<夏沢峠>

<ここで雑魚寝>  <夕食はカレーをおかわり>

静かな夜で、小屋番の方が餌付けされているモモンガやヤマネが来ているか何度か覗いてみたけど、この夜は遊びに来ていなかった。残念。ただ、翌朝、冒頭の写真を何度も撮れたので満足できた。これで、八ヶ岳の小屋32ケ所のうち15軒くらいは泊まっているんじゃないか。

2日目のルート: やまひこ荘(6:15発)→天狗岳(7:35)→黒百合ヒュッテ(9:15)→渋の湯(11:30着)

箕冠山に向けて歩き出すと、シャクナゲの花が咲いていて、何本も登山者を迎えてくれる。7月末なので、シャクナゲもそろそろ時期的に終わりだ。

<シャクナゲ>  <イワベンケイ>

箕冠山を経て、下って登って根石岳へ向かう。朝は晴れていたけど、根石岳山頂は生憎ガスの中で何も見えず。これで根石も4回目くらいじゃないか。そこからまた下って、東天狗に登り返していく。

<<花2種>>

ガスで殆ど見えないけど、晴れていれば左手に緑と岩の斜面が広がっていて綺麗な所。右手は切れ落ちていて危ない。雪山登山の時にもガイドさんから「雪庇に気を付けろ」と足を踏み外さないように注意された箇所だ。確かにうっかりミスしたら後が無いので、ちょっと乱暴でもああいう言葉がありがたかった。

いよいよ最後の金網を渡している所に辿り着いて、昔の夏山の記憶を思い出した。確かにこれが東天狗の手前にあったのだ。今年の3月にガイドさんが「このリッジを俺が崩しておいたんだよ。人によってはこれが怖くて天狗から南下して縦走しないで黒百合ヒュッテに引き返すんだ」と自慢げに話していた。雪面だと全てが白で覆われているので、1つ1つの場面の記憶は薄い。でも、ちょっと怖い思いで通ったので、ここはちゃんと覚えている。

<リッジに金網が渡してある>  <東天狗山頂>

東天狗山頂(標高2645m)もガスの中だった。初めて天狗岳に登った時は快晴だった。で、この南に連なる硫黄岳、横岳、赤岳などを見渡していつか登ってみたいものだと誓ったものだ。晴れていれば絶好の景色が広がっているのに。じっと20分くらい待っていたけどダメ。なので、黒百合ヒュッテを目指して下る。

ヤマの天気は良い方にも悪い方にも変わりやすい。この日はしばらくすると晴れてきた。天狗の山頂はスッキリ。左手が東天狗、西の丸っこいのが西天狗。西の方が高いけど、この日のつい20分くらい前はガスが濃かったのでパスした。

<天狗の吊り尾根>

いつも中山峠を経由していたけど、初めて天狗の奥庭を通る。岩場が続くけど歩きやすい。すりばち池は殆ど涸れていた。縞枯山の下にある雨池も枯れているけどそんな感じ。ただこっちの方が開放感はあるんじゃないか。6月の雌阿寒岳に続いてゴゼンタチバナを発見。この花は葉っぱも含めて整然としていて几帳面な感じがする。

<ゴゼンタチバナ>  <モミジカラマツ>

岩場を下りきって黒百合ヒュッテに着くと、小屋のお姉さんが「怪我人の搬送でヘリコプターが来るので小屋に入るか下山するかどっちかにして。外で休憩するのはNG」と声を嗄らしていた。ここからの下りが長い。と言うか私は下りが苦手なのだ。しかも苔の森に入っていくのでヤケに薄暗く感じた。

<大木を下から仰ぐと陽が眩しい>  <7月に早くもキノコ>

渋の湯まで下る途中、ボンヤリしていたのか前にコケてしまった。こんな失態は初めて。普通は後ろに尻もちを付くものだけど危なかった。アルピコパスに乗ってから、初めてズボンの膝上あたりが3cmほど破れているのに気が付いた。膝サポータをしていたので怪我もなくて幸い。

<ズボンが破れた>  <夏のほうとう=おざら>

甲府の駅前ビルでおざらを食べて、夏の天狗岳登山を〆めた。

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