ドロミテ旅③(シウジ高原【前編】)

キャビノビアでシウジ高原へ

Bolzanoの観光案内所で聞いた結果、ドロミテにいくなら行きたい場所を決めて公共バスに乗っていくしかないと判る。で、Bolzanoから170番(?)のバスに乗ってAple di Siusiに行く事にした。「地球の歩き方」によるとバスの終点ではなくゴンドラ乗り場で下りればそこからラクにシウジ高原に上がれると書かれていた。

バスの運転手さんに「ゴンドラの処で降ろして」と言うのだが通じない。ただ、こちらの言わんとする処を一生懸命に考えてくれる親切なdriverで、あれこれイタリア語で喋ってくれる。こちらには何も分からない。5つ目くらいに発せられた言葉が「キャビノビア」だった。それって、ゴンドラが1つ1つキャビンになっているからそのイタリア方言だろうと勝手に想像して、「それ!」と笑顔で肯く。向こうもようやく会話が成立した事で喜んでくれていた。

で、無事にバスを降りて、ゴンドラに乗る。そこから標高1800mに上がった。そこにはアルプの草原が広がり、その遠い外周を3000m弱のギザギザしたドロミテの山々が取り囲んでいた。中の草原だけならスイスでもその光景を見た事あるけど、ドロミテの山の景色は独特だ。この日は未だその名前も知らなかったけど、右端にルート記号(√)みたくずっとflatだけど最後の方だけスコンと切れ落ちている断崖があった。

<ルート記号した山> <マツムシソウ>

この日は未だ腹痛が残っていたので、恐る恐るコンパチョCOMPACCIOの付近を歩いた。それだけでもお花畑が広がっていて、起伏のない道(weg)をゆっくり歩いた。「ドロミテ(ミラノin)」記事ではピンクの花を紹介したが、その辺りではイブキトラノオが多かった。他にもマツムシソウなど紫の花が咲いていたのでいくつか紹介する。

<ウツボグサ>  <ランチ>

ホテルも何軒かあったので、値段を聞いてみる。この日はBolzanoで泊まるつもりで空身で動いていたので、明日泊まれるものか聞いてみたのだ。これは絶対に泊まらない手はない。3つ星ホテルでハーフボード(haif board:2食付)が96EURと言うので料理次第では十分に安いと思った。この日はランチのケーキを食べて早々に退散した。

<<その他の紫色の花>>

シウジ高原とは

シウジ高原の情報は「地球の歩き方」にも0.5ページしか載っていない。実際に足を踏み入れてみて気に入ったので、改めて翌日にキャビノビアで上がる事にした。あとはTrekkingするだけだ。いざ文章を書き始めたのだが、これは位置関係を掴んでおかないと読者も来年あたりドロミテを歩く人も辛いだろうと思い、先ずはその辺りを説明したい。

<牛もノンビリと>

シウジ高原に関して、簡単な地図が無料で配布されている。小さく折り畳んであり、表紙はこんな感じ。

<シウジ地図の表紙>  <Bolzanoやシウジの位置関係>

私にとってシウジのベースとなるのはコンパッチョCompaccoだった。キャビノビアで高原地帯に上がってきた所。で前日(7/7)はリハビリがてらその周辺を歩いただけ。それから2泊して更に3日間ほどスニーカーとストックでTrekkingした。昨年のスイスやNZ、ネパールでは登山靴を持っていたけど、海外でも普段はCROCSで歩いているので、登山靴を持っていくのは何かと重たいし邪魔。で、スイスのノリなら大丈夫と判断してスニーカーで済ませたのだ。

恥ずかしながらシウジの東西南北をハッキリ覚えていないので、以下ではこの地図の上を北だと信じて書いていきます。

あと3日ほど、Alpe di Siusiを歩き倒す

●翌日(2019/7/8):西のPUFLATSCHとモンテPiz【11:30~16:55】

コンパッチョからArnika Hutteまで往復(ルート14)
→コンパッチョからモンテPIZの中腹まで往復(ルート14B、地図は省略)

<地図1>  <地図2>

●次の日(2019/7/9):東の岩山を縦走【8:55~18:10】

コンパッチョからパノラマリフトでパノラマへ(標高2000m)
→Rosszahne Scharte(ルート2で2657mへ)
→更に、Tierser Alpl Hutteを経由してSchlernhausまで縦走(ルート4で2500~2655mをトラバース)
→Saltnerspitzを経由して急降下(ルート1)
→登り返す(ルート6)
→パノラマリフトが営業終了していたのでコンパッチョまで登り返して下る(ルート7)

<地図3>  <地図4>

●最終日(2019/7/10):北東のSasso Piatto山頂を目指す【9:20~17:30】

コンパッチョからパノラマリフトでパノラマへ(標高2000m)
→SALTORIAへ下る(ルート30+6で1690mへ)
→リフトでWilliams Hutteへ(2100m)
→Plattokofel Hutteへ(ルート9で2297mへ)
→道を間違えてトラバースルートへ入り、目的地をPasso Sellaセラ峠に変更(ルート557?)
→時間切れでSANDRO小屋で撤収。SALTORIAまで歩いて下る(ルート9で2300mから1690mへ)
→コンパッチョ迄バスで戻る

<地図5>  <地図6>

因みに、7/9は上りでリフトを使ったのを含めて9時間の行程。案内所で「どれくらい掛かるの?」と訊いたら「全部歩いても8時間」と言っていた。なので、白人より歩幅が狭い日本人が歩いても9時間くらいじゃないか。私はこの日までにデジカメでバシバシ500枚くらい写真を撮っていたので、真剣に歩けばリフトなしで9時間で踏破できたかも知れない。

コンパッチョからArnika Hutteまで往復

7/8はザックを背負って、再度キャビノビアに乗ってSuisiに向かう。で、昨日アタリを付けた宿(Hotel Plaza)に投宿する。私が前日にbookingの意志を示さなかったので、受付の女性は「どうしたの。部屋は無いわよ」とcoolな対応をしてきた。うん? と思いつつ、穏やかに再度訊いてみるとスンナリ泊まれた。

<シシウド>  <ナデシコ>

未だ腹痛の不安が残っていたので、リハビリモードだった。で、この日はキャビノビアがあるコンパッチョから西のPuflatschにほぼflatな道を歩いていく。目的地はArnika Hutte。この日もいろいろな花が咲いていた。

<<その他に目立った花>>

1.5時間くらい歩いて小屋に到着してビール休憩する。りんごがふんだんに入っているアップルケーキだ。ドイツ語の名前は覚えていない。

高原ではエーデルワイスを見られなかったけど、小屋の鉢に咲いていたのがそうじゃないか。言い切りたいけど、かつて礼文島や苗場山で見つけたのよりあまりに大きくて自信が無い。因みに、旅の後半でweissはドイツ語で白だと知る。白ワインを頼む時に必須だ。

<ランチ>  <エーデルワイスかな>

未だ3時くらいだったので、今度はモンテPitz方面に歩いてみる。地図ではハッキリ判らなかったけどこのコースは下ってから登り返すのでちょっと面倒だった。しかも、モンテPitzに辿り着けず途中で撤収する羽目になった。

微妙な標高差でも植生も変わってくる。このルートでは紫の小花が目立った。

<チシマフウロと別種の花と>

標高が下がればそれだけ暑くなって汗が噴き出てくるし、ビールが飲みたくなる。夕食の様子は次回で書く予定。

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