ドロミテ旅④(シウジ高原【後編】)

シウジ高原のdinner

シウジ高原は標高1800mで、そこの宿でも風呂があるのは嬉しい。サッパリした所でコース料理を頂く。この宿泊客は30~40名くらい居たんじゃないか。

英語のコースメニューを渡されて「全部食べますか?」と訊かれる。そりゃあ珍しいものなので「全部」と答えるのだが、ビールを呑んだりパンをつまんだりおっとり食べているとメイン料理が運ばれてくる頃にそこそこ腹が膨れてくるのは想定外だった。

<カルパッチョ>
<チロル風スープ>
<ラザニア>
<肉>
<揚げりんごのデザード>

この中では、特に挽肉のジューシーさをそのまま味わえたラザニアが美味だった。チロル風スープは初めてだったが、丸い粉モノが2つ添えられていた。中にベーコンが入っていたけど味は微妙。この料理で1泊2食=96EURは安い。

SCHLERNへ9時間歩き抜く!

7/9はシウジ高原のホテルで朝食を食べてから、この日は2657mのROSSZAHNSCHARTEに登り、そこからSCHLERNへドロミテの岩山を縦走した。

ヤマを歩くにも海外だと時間が読めないのでラクできる所はラクして時間稼ぎしたい。コンパッチョから標高2000mのパノラマまでリフトで上がると、眼下にお花畑が広がる。山頂駅ではアルパカがお出迎え。夏仕様で毛を剃られておりあまりにもサッパリしていた。毛があまりにも厚いと暑さで参ってしまうとか。

<朝食>  <アルパカ>

ピンクのお花畑が広がっている。この光景については先に書いてしまったので、以下の記事を参照願う。写真は省略するけど、黄色の花畑やワタスゲの白い花畑もそこかしこに広がっている。

そこから、徐々に高度を上げていく。キチンと道が付いているのでラクだ。雪渓も何か所かあったけど直接そこを渡る事はなかった。その傍を通過しつつ、周囲はガレ場になっていく。

【参考】ドロミテ_2

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12498329805.html?frm=theme

<綺麗な緑の山肌>  <雪渓>

まだか、と思いながら汗を拭いているとようやく峠に着いた。ベンチの背にROSSZAHNSCHARTEと書かれている。2657mだ。

<ROSSZAHNSCHARTE>  <赤い屋根の小屋>

そこからずっと尾根を右に回り込んでいけると思ったのだが、ドロミテは岩が脆くて崩れているためかその上には進めない。一旦尾根の反対側に100mくらい下ると、赤い屋根の小屋に至る。Tierser Alplだ。屋外でビールを飲んでいる欧米人が20人くらいいたけど、こっちはここで酔ったら下山できないので我慢する。

<<青い花2種>>

そこから灰色の山々が見えるシウジの裏側をずっと歩いていき、土の色が赤茶けてきた辺りで登山道はまた上に向かう。これで、ルート状(√)の岩山のflatな所に上り詰めた。Schlernだ。そこを更に前に進むと、緑と白い岩肌のコントラストが広がる。こんな環境でも牛が放牧されていた。牛の首に吊るしてあるcow-bellがカラコロと鳴っている。

<flatな山頂に広がるドロミテの白い岩肌>

次の小屋Schlernhausに辿り着いて、ようやくランチのデザートタイム。既に14:00を回っていた。この日もりんごケーキがオススメだと言うけど、趣向を変えて偶にはフルーツ・ヨーグルトを注文する。

それとミネラル・ウオーターも頼む。ボトル入りの水を頼んだつもりだったが、サーバーで出てきた。悲惨な腹痛が治ったばかりなのでこれには参った。生水はイヤだ。彼らとしては全てがミネラル・ウオーターなのに何がイケナイの? って怪訝な顔をしていたけど申し訳ない。「gasじゃなくてstill water」ともう一度繰り返した。それでもsparkling waterが運ばれてきたのでこれしかなかったのだろう。

<ランチ>  <ハマナスみたい>

あとはもう下るだけ。ただ、この下りが長い。このルートも花が多くハマナスみたいな大振りの花も。下ってくると馬も発見。2000mまで下れば済む訳でもなく、おそらく1800m位まで一気に下り切ってから2000mに登り返す。この状況はアバウトな地図だと全く読み切れなかったし、既に17時を回っていたので僅かな登りでも疲れる。

パノラマリフトの山頂駅に辿り着いた時には既に17:40でリフトは営業終了。おまけに小雨も降ってくるし、アルパカがきょとんとしてこっちを見つめる中トボトボと舗装道路を右に左に1800mのコンパッチョまで歩いて帰った。

この日はこの旅一番のドロミテ・ハイキングだった!

シウジ高原のdinner(2泊目)

Siusiのホテルに2泊した。2泊目の夕食はこんな感じ。もうお腹いっぱい。

<前菜>
<モッツァレラチーズとトマト>
<こってりしたスープ>
<ラビオリのロケットソース>
<白身魚>
<デザート>

Sasso Piattoを目指す

シウジ高原最終日の7/10はSasso Platto山頂(2958m)を目指した。

<左:Sasso Lungo、右:Sasso Platto>

この日も快晴。ホテルの前で、昨日登った√の形をしたSCHLERNの稜線をずっと目で追ってみると、ちょっと満足感が湧いてくる。

前日と同様にパノラマリフトに乗って標高2000mへ上がる。そこからSALTORIAへ進む。

<ルート状の稜線>  <ルート30の案内板>

途中、いかにもヨーロッパ風の案山子や木製品の土産物が道端に置いてあったり、日本ではお目に掛かれない景色の中、少しずつSasso Plattoに近づいていく。

<案山子>  <きのこのキーホルダー>

Saltoriaからリフトで2100m地点まで上がるとまた登りが始まる。2300mのPlattokofel Hutteで分岐あり。そこでどうやら道を間違えたため、いつまでも登りにならない。ずっとSasso Plattoを左手に見上げながらトラバースしていった。でも景色は最高。

<<2100~2300m地点>>

ただ、この日はBolzanoの街に戻らないといけないし、13:10にSANDRO小屋に辿り着いた所で已む無く引き返す事にした。あと30分くらい余裕があればセラ峠(Passo Sella)まで往復できたんじゃないか。惜しいけど明日はBolzanoでドロミテ・バスツアーを頼んでいるので撤収を決めた。

<<SANDRO小屋>>

帰り道では野性的なアイベックス(ヤギ?)も発見。牛も良く判らない恰好をしていて白人touristにウケていた。何をしていたのか?

<<アイベックス(ヤギ?)や牛>>

Plattokofel Hutteでトイレを借りようとしたのだが、間違えて女子トイレに入りそうになった。どこにもトイレマークが書いてなく、デカイ男の子の写真がドア一面に貼り付けてありそれが男子トイレだったのだ。後でよく見るともう一つのドアには女の子の写真があった。

<ランチはいつもケーキだけ>  <トイレ入口>

後は標高2300mから1690mのSALTORIAまで一気に下っていく。徐々に植物の背が高くなってくるし、途中で水場があったので一服できた。

<下り坂>  <SALTORIAからSasso LungoとSasso Plattoを仰ぎ見る>

これで4日も歩き倒したシウジ高原ともお別れだ。これだけ歩いても未踏破の場所があるし、Plattokofel Hutteから昨日のROSSZAHNSCHARTEまで岩場に稜線伝いにずっと道が付いていたので、そこを歩けなかったのが残念。

【2022.3.20訂正】ヤギなのかアイベックスなのか判らなくなったので補記しました。

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