紅葉前の涸沢カール

山行日:2019.9.中

1日目: 上高地バスT(8:45)→徳澤(10:20)→横尾(11:25)→本谷橋(12:35)→涸沢ヒュッテ(15:00)
2日目: 涸沢ヒュッテ(6:50)→見晴台(7:30)→涸沢ヒュッテ(8:10)→横尾(10:55)→河童橋(13:50)

涸沢ヒュッテへ

涸沢へ行くのは昨年5月のGW以来の事。そう、実は雪の涸沢しか未だ見たことがなかった。しかも、GWの涸沢は着いた日も翌日も吹雪のため何も見えず、TVで見た以上のものをホントに何も知らなかった。

で、今回はそのリベンジもあって夏の涸沢を目指した。松本駅前の宿に前泊して、松本電鉄とバスを乗り継いで、河童橋には9時前に着いた。なので、そこから6時間の歩き。ただ、本谷橋までは限りなくflatな道を淡々と歩いていくので、ヤマはその先だ。

<ノコンギク等(4)>

9月なのでそんなに花の種類は多くないけど、ノコンギク、キツネフリ、サラシナショウマ、トリカブト等が咲いていた。サラシナショウマは夏の盛りよりもこの時期の方がかなり増えていた。河童橋から横尾まで歩くとキノコが何種類も出て来る。中には毒々しい顔つきのもあった。

<キノコ(5)>

横尾を過ぎると紫の小さな花を付けたコウシンヤマハッカ(甲信山薄荷)が目立つ。これは名前を知らなくて、翌日上高地ビジターセンターで教えてもらったもの。

<コウシンヤマハッカ、キリンソウ(2)> <本谷橋>

本谷橋を過ぎるとようやく登りになる。GWにはこの少し手前辺りでアイゼンを装着した。あとはキリンソウとモミジカラマツくらいしか花はなかった。でも、この緩い上りがいつまでも続くと体に堪える。しかも右に切れ落ちたような登山道が続く。短めの急登の方が踏ん張りが効くかも。他の登山者も「辛い」と嘆いていた。

涸沢にて

どうにか涸沢に到着。本谷橋までは快晴だったのに、いつの間にか白いガスの中。またも涸沢の景色は拝めず、残念。朝から何も食べていなかったので、先ずは涸沢ヒュッテ名物のおでんとビールで乾杯。晩ご飯もがっつり食べた。涸沢ヒュッテと言えば1つの布団に枕元が2コ置いてあるが、この日は同じ一つの布団を占有できて助かった〜。

<ガスとおでんと夕食と(3)>

明け方にトイレに起きたら、夜空に星が輝いていた。それと少し暗闇が和らいでいたので、穂高の稜線がずーっと伸びているのが見えた。その下は黒く、空は黒いものの若干淡くなっていた。これで今日は天気が回復するかも。

翌朝は晴れた。初めて涸沢カールの景色を見ることができた。何年か前に仙丈ケ岳に登った事があるけど、あの仙丈カールよりはずっと広い。正面に涸沢岳と涸沢槍、右手に北穂、左手に奥穂が望める。朝5時台はまだボンヤリと白んでおり、6時を過ぎると空の青色が映えてくる。

<早朝5:30頃の涸沢岳、涸沢槍、北穂(2)> <6:15頃の北穂>

この旅のゴールは涸沢だけど、空身でもう少し上を目指す。すぐに小さな雪渓がいくつか目に入る。稜線上に小さく小屋が見えた。おそらく奥穂高山荘だろう。そこまで行けない事はなさそうだった。

ちょうどガイドさんと一緒に登っていた60代のオバチャン2人組が登って来て、少し会話する。初めての奥穂高だと云う。ガイドさんによると「ここまで来ているし大丈夫でしょ」と言ってくれる。ジャンダルムってどんな所か未体験だし、そもそも空身でこれ以上登るのは不味い。それにそんなつもりなく登るとケガでもしかねない。と言う事で見晴台の岩の上で撤収の判断。見晴台はおそらく標高2500mくらいだったんじゃないか。

ここまで登ってくると、涸沢槍のとんがり具合も一層目立ってくる。こうして見上げると、灰色の山肌はついこの間歩いた北イタリアのドロミテ山塊と似ているようにも思える。

<見晴台にて(3)>

ここまでの山行だと、ヘルメットは本当に必要なのか疑問に思った。嵩張るし暑苦しいし、被らなくていいものなら遠慮したい。ガイドさんも「5年くらい前に事故があってから煩くなった」と言われていた。

涸沢から撤収

あとは下り。昨日のタラタラの登りがキツかったけど、下りはかなりラクだった。見晴台から河童橋までザックリ1000mを下りきった。前日も全く同じ道程だったのに、この日になって気付いた花もある。

<見慣れない黄色の花、チングルマの穂> <本谷橋、センジュガンピ>

横尾の辺りでサルが大量に移動中だった。みんな横尾大橋付近から、徳澤方面に歩いていく。子連れのサルも何組か一緒に行動していた。その数は裕に30匹は超えていた。彼らは真冬の上高地にいると自分達の縄張りだと思っているのかフンゾリ返っているけど、夏場は人間から逃げていくのが不思議。ピンク色の小花を次から次に摘んで食べまくっている一団もいた。サルが花の芽を食べるのは初めて見た。特定の花だけ両手で交互に摘んで、そのままガツガツ喰っていた。

<サル(5)>

涸沢から横尾までトコトコ調子こいて下ってきたら、1週間ほど膝の痛みが回復せずちょっとケチが付いてしまった。

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