秋は紅葉を求めて北上
秋は東北
ヤマでいい時期に紅葉を見るのは難しい。これまでにピッタリ時期が合ったのは3回くらいしかない。十和田湖が紅葉の盛りでも、翌日の八甲田山はもう吹きっさらしの冷たい風ですぐに撤退した。栗駒山のように一度時期遅れで失敗したので、改めて別の年に再訪した場所もある。
・9月中旬の層雲峡(黄葉)
・10月下旬の十和田湖(紅葉メイン、蔦温泉の周辺は黄葉)
・9月下旬の栗駒山(燃えるような赤) 【2018年の写真】
いずれも北海道から東北に掛けてのものだ。やっぱり急激に冷えるためか、寒い地域の方が総じて綺麗に色付くと思う。トップページに貼った紅葉の写真も栗駒山で撮った一枚。
福島・塔のへつり(2019.10.下旬)
で、今年は9月の涸沢は紅葉には早かったし、いくら紅葉のピークを観たくても布団一枚を男2人でshareするなんてちょっと勘弁して欲しい。榛名山はやけに寂しかったので、鬼怒沼に行ってflatな道をのんびり歩いて日光澤温泉でゆっくりしようと思っていた。ところが、台風19号の影響で東武特急スペーシアが運休していると言う。吾妻線とか水郡線は山間部を走行するので判るとして、浅草から発車している特急にまで支障が出ているのにはちょっと意外感があって驚いた。それだけ激しい被害があったって事か。
<塔のへつりの紅葉(2)>
で、郡山・会津若松とちょっと遠回りして、会津の塔のへつりに行ってみた。東北の紅葉で名前を聞いたことがある所。紅葉はまあまあだった。
<塔のへつり(2)>
へつりなんて言葉は知らなかったが、抉れる意味らしい。確かに川面から少し上が川の流れで大きく抉れていて、少し身を屈めれば通れるくらいの道になっていた。ただ、訪れているのは日帰り観光バスで来たようなツアー客が殆どで、歩くとか登るって意味だとサッパリで完璧に消化不良だった。
<抉られた川岸(2)> <大河ドラマ「八重の桜」で出てきたフレーズ(1)>
まあこんな旅もあるさ、と流すしかなかった。結果としてみると、会津若松からもうちょっと新潟寄りに行った只見湖の紅葉がbetterだったかも知れない。未だ只見線には乗ったことないし、またいつか。今回も行こうと思えば行けたのだが、今年は旅先で雨にやられる日が多い。撤収するしかなかった。
思えば、新潟市は東京から新幹線に乗れば1時間半くらい着くし近い。でも、直線距離で考えれば全然近い筈の長野市、米沢市、会津若松辺りからだとJRで結構な時間が掛かり不思議な位置関係にある。
「あいづっこ宣言」は会津若松から南下する途中の駅で撮ったもの。松重豊や綾瀬はるかが大河ドラマ「八重の桜」の台詞で喋っていた「ならぬことはならぬ」はその通りで至極尤も。それがままならず貫き通せない事もある。でも、頑固なように聞こえても筋や道理を曲げるのは違和感あるね。松平容保が藩主を務める会津藩が幕末に何故あそこまで叩かれたのか、歴史の綾と言うには極端であり、見ていて違和感の残る大河ドラマだったなあ。
北茨城・花貫渓谷(2019.11.中旬)
中戸川登山口(11:50)→土岳(12:45)→渓谷側の小滝沢キャンプ場登山口(13:45)→花貫渓谷を散策(ゆっくり)→撤収(15:00)
関東の紅葉の名所としてよく観光パンフレット等で見かけるのが花貫渓谷。場所は茨城県北部の海沿いの街。
ただ、渓谷って抱き返り渓谷(秋田)のようにそこそこ歩ける所もあれば、つい先日の塔のへつり(会津)のように10分で終了みたいなスポットもある。なので迷っていたが、ちょうどその裏手に標高600mの手頃なヤマも見つかったのでセットで出掛けてみた。なので渓谷がショボくてもヤマがあるのでヤマ旅としては大丈夫だと思ったのだ。
JR高萩駅から公共交通機関がないので、やむなくタクシーに乗る。この運転手さんが親切で、紅葉の綺麗なスポットで小休止を取ってくれる。正直、この日のbestな紅葉はココだった。
<名馬里の滝にて、登山口(2)>
登山口に着いて、近隣の人と出会ったので「クマは居ないですよね?」と訊くと「いないよ。でもイノシシは昼間から出てくるんで気をつけてね。モノを投げるといいらしい」と教えてくれる。ただ、その人も自分ではヤマに入らないみたいで伝聞形だった。モノを投げるってのは勿論イノシシに向かってと言う訳ではないだろう。クマに遭遇した時にもクマの注意を逸らすために明後日の方向に投げて助かったなんて事を北海道で聞いたからそれと同じだろう。
<登山道(2)>
登山道を進んでいくが、結構湿った暗い山道が続いた。50分くらいして芝生が広がる欅平で小休止。そこからは明るい階段を上がっていくと程なく山頂に至る。普通の山頂はもっと狭いし、眺望が全く無いケースもあるけど、ここはなだらかな丘みたいな山頂。流石に標高600mは景色が違う。遠くに見えていたのはおそらく太平洋だ。
<土岳山頂にて(2)> <下山道にて(1)>
で、花貫渓谷の方に下っていく。毎度ながら下りは苦手。こちらはそこそこ紅葉していたけど、どちらかと言えば終わり際だった。
登山口に降りると、そこには革靴とかを履いた年配の観光客がたむろしており、モードを変えなくては。よくパンフレットに載っている花貫渓谷の吊り橋はそこから5~10分くらい。吊り橋もまあ関東地方のサイズだなあ。正直、紅葉しているエリアはかなり限定されていた。勿論パンフレットの色調とは異なる。あー山に登っておいて良かったなあ、と実感した。
<花貫渓谷のメインスポット汐見滝周辺(3)> <みそ焼きそば>
駐車場の辺りに出ると、寒い中で何件か屋台が出ていた。みそで味付けした焼きそばは初めて。まあまあか。もう歩かなくて済むと思えば、安心してビールも飲めるし、最近の関東の山(榛名山、日和田山、今回の土岳)はこれで一区切りか。もしかしたら、12月に千葉で用事があるので、そのついでにその周辺を歩くかも。やっぱりもうちょっと標高があるヤマがいいなあ、って言うのが正直な感想だった。その季節に合ったヤマをchoiceするのはそこそこ悩む。
後で気が付いたけど、NHK朝ドラ「ひよっこ」の舞台がこの辺りになるんじゃないか。「ちゅらさん」と同様に岡田敬和が描く朝ドラの世界は一刻館みたいなボロアパートの親密感が好きだった。