雪山で楽しむ

「3月にオススメの雪山」、「雪山のファースト・シーズン」の続きとして第3弾を書いていきます。

(1)雪山の守備範囲

山域としては圧倒的に長野県が多い。その周辺県にも出掛けるけど、都心から相対的に近くて確実に雪があるためだ。しかも、茅野駅からバスでアクセスできる八ヶ岳と車山高原がメインだ。他に長野県内だと、志賀高原や飯山など北信にも出掛ける事が多い。

長野県以外だと、群馬や山梨など近県、それと春先には山形や福島に出掛ける事もある。ザックリまとめると下表の通り。

<雪山10年の軌跡>

最初は見えるヤマがどれも単なる山に過ぎない。でも、1つ1つ登るごとに山の形を覚えていくし、それに連れて”ヤマ”じゃなくて蓼科山とか赤岳とか固有名詞が増えていく感じだ。

(2)山域と雪質

サクサクのパウダースノーで選ぶなら志賀高原だ。志賀高原はスキー場と各地域を結ぶ無料バスも通っているので利用できる。旭山、四十八池、横手山、焼額山などvariationも豊富。八ヶ岳だと、殆どの人が茅野方面から登るので、美濃戸も桜平も渋の湯もプラタスも登山道は固くなっている。でも、相対的に東側の斜面はサクサク感に恵まれていると思う。夏沢峠から本澤温泉に降りてくルートなど歩いているだけで気分爽快だ。モンスターは、北八ヶ岳、横手山、蔵王などで見ている。

<縞枯山荘の近くにて_2015>

あと、美ヶ原高原とか車山など、樹林帯がなくて吹きっさらしのエリアは風も強いけど雪面もシャリシャリ、ガリガリで辛いものがある。勿論、車山など人が踏み入れていないspotはいくらでもあるので、蝶々深山とか探検してみると楽しい。

(3)季節による違い

北八ツを例に取ると、12月だと雪が少なくてつぼ足で十分歩ける場合もある。

雪山のピークはやっぱり1月と2月じゃないか。寒いけど雪はたっぷりとあり、サクサク、フカフカしているのでスノーシューで歩くには最高の季節。アイゼンで歩くなら、登山道が固く締まった3月でも全然大丈夫。ただ、想定外の天候で身動き取れない事もあるので注意。いつだったか2月に赤岳鉱泉に1泊して、翌朝に硫黄岳まで登るつもりだった。雪ならいくら降ってくれても楽しく登れるのだが、無情の雨。流石に極寒の雨の中を登るmotivationはサラサラ無かったので、そのまま撤収した事もあった。

入笠山とか北八ヶ岳では4月前半に冬山のロープウェイが営業終了となるので4月に出掛ける場合は要注意。むしろ4月だったら、月山、蔵王、西吾妻山、安達太良山とか東北のヤマを目指した方が良い。真冬には雪が深くて入れなかった所で、4月なら入る事ができる。

(4)動物との出会い

雪上に動物のトレースは沢山あるので、ちょっと歩いていれば必ず見つけられる。一番多いのがウサギだろう。前足で踏み込んでjumpするのでケンケンパッの要領で特徴的なトレースが見られる。でも、残念な事にウサギ自体には中々お目に掛かれない。他に、キツネ、タヌキ、テン、オコジョ、カモシカのトレースがあるが、全て識別できる訳でなく、正確なところはガイドブックを参照下さい。

<ウサギのトレース_2019志賀高原>

夏道でカモシカと出会った事はないけど、雪道では3度出会っている。最初は、茅野駅から渋の湯へ上がるバスの車窓にて。車窓を見ていて驚いたので思わず「クマ!」と叫んでしまった。でも、バスの運転手さんに「あれはカモシカだよ」と笑われた。カモシカみたいな足って表現もあるので、まさかあんなにずんぐりむっくりした動物だとは思っていなかった。2回目は、2013年3月に茅野・明治温泉から横谷峡を下りていく時だった。アイゼンを装着して歩き始めて10分くらい下ったところか、黒い物体が私の左ヨコ5mくらいのところに佇んでいた。じっとこちらを見ている。見つめられているようだった。この時は一発でカモシカと判ったものの、やはり巨体だけに襲われたら負けるだろう。幸いカモシカは大人しいし、視力が悪いらしくじっとニンゲンを観察していたみたい。恐る恐るデジカメを出してその姿を写す事ができた。

3回目は、戸狩温泉に泊まった時の事だ。戸狩温泉にはトガリントウって名前のりんご味のかりんとうがあって美味しいので、いつも買い食いしている。で、スノーシュー・ツアーで羽広山集落の裏山をスノーシューで登っていたのだけど、谷を挟んだ向こうにポツンと一頭のカモシカが居るのを発見。やはり、じっとこちらを見つめて動かない。デジカメのズームを最大限までアップして、捕らえたのがこの写真。

<<羽広山集落近郊のカモシカ_2018>>

美ヶ原の鹿伏山にはシカが沢山いたけど、最大限ズームにしてこれが限界だった。

<鹿伏山のシカ_2015>

(5)草花や自然現象

雪山に花は咲いていない。ただ、5月になると一度雪が溶けてショウジョウバカマが咲いた後に、もう一度雪を被る事もある。以下の写真は2019年GWに涸沢に登った際に、横尾から本谷橋の間で見つけたもの。フキノトウは2015年4月に姥沢から月山に登った時に撮ったもの。

<<ショウジョウバカマ、フキノトウ>>

植物ではないけど珍しい自然現象を見られる事もある。水上で氷筍を見た。ツララは上から垂れさがっているが、氷筍は上から垂れた水滴が下の方から順に積まれたものらしい。なので、下から伸びたツララである。3~5cmくらいの高さだった。写真は2014年以前の古いSDカードに眠っているので、見つかった所でこのページにアップしたい。

<水上の氷筍>  ※捜索中

(6)モバイルなど

雪上車とかスノーモービルに乗れるチャンスもある。送迎用の雪上車には夏沢鉱泉とか高峰高原温泉で乗せて貰った。山小屋によっては物資運搬に使っているし、偶々お客さんが少ない平日なんかだとスノーモービルで一気にゲレンデ横の冬道を下りていけるのが気持ちいい。

<<横手山からスノーモービルで下山_2019>>

櫛形山スノーシュー・ツアーに参加した時には、残念ながら雪が少なくて微妙な山行となったが、ランチタイムにチーズ・フォンヂューを愉しむ事ができた。富士山を眺めながら、うずらの卵や野菜、フルーツにチーズソースを付けて戴いたのは最高。

<<櫛形山_2017>>

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