蝶ケ岳の前後泊(2019_GW)

徳澤園でオランダ人と

GWの蝶ケ岳登山(1つ前の記事を参照)の前後泊は徳澤園だった。

で前泊の日に、なんと若い外国人が2人泊まっていた。翌朝、彼・彼女が長塀山・蝶ケ岳への登山口からザック無し、ストックもアイゼンも無しで登っていたのに出くわす。軽く挨拶して、彼らがオランダから来たのだと知った。彼らは若いし体格的にもtoughなのでドンドン登っていくものの、30分くらい戻ってくる。残雪がたっぷり残っている山道なので流石に無理だと諦めて、徳澤に降りていった。

で私はと言えば、なんとか登り切って、蝶ケ岳ヒュッテに一泊した。そして、翌朝また来た道をそのまま徳澤に降りていったのだ。

<妖精の池あたりか>

徳澤園にもう1泊したら、なんと夕食の時にまた彼らに再会した。しかも、6人掛けテーブルが10~15ほど並んでいるその同じテーブルだった。折角なので、少し会話してみた。といっても英語がスラスラと出てくる訳でもない。なので、ドキドキしながらカタコトで話しながら、山頂で撮った穂高の山並みとか雷鳥の写真をお見せした。

聞いてみると、2人は1ケ月の予定で初めての訪日旅行だとか。流石、ヨーロッパの人達は堂々とバカンスを取るものだ。日本人だと10連休でも身の処し方に困って休日出勤したくなっちゃった人がいただろうけど、彼らは違う。以前も、NZのAbel Tasman国立公園(Nelson近郊)でshipホテルに泊まっていた時に、日本人旅行の短さを笑われた後でオランダとかベルギーの旅人が「私達は1ケ月の休みなんだ」、「えっそれだけ? 私は2ケ月もあるよ」と自慢し始めていたし、彼我のgapを感じてしまった事がある。

彼らは京都から上高地にやってきて山小屋らしからぬリッチな徳澤園になんと4泊するとか。徳澤園の事はフランス人が書いたネット情報で知ったとか。その前日も涸沢まで登るのは無理だったみたいだが、横尾を越えて本谷橋の辺りまで歩いたとか。まあそこまでならば、登るって言うよりflatな道を歩く感じで進めるのだ。ただ、この時期でも本谷橋が雪で埋まっていたと聞いてビックリ。

※私も2018年のGWに初めて涸沢まで登ってみたのだった

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12434799880.html

で、上高地でゆっくりとrelaxした後は、東京、秋田、北海道へ北上していくと言う。初めての日本で東京と北海道は容易に想像が付くのだけど、オランダ人にとって秋田って何を期待しているのか。なまはげ? それともどこかの秘湯なのか?

会社を辞めてから折角ダミー名刺を作ったので、渡そうとして探したのだが財布に1枚も入っていない。失態だった。ただ、それに気づいた向こうから名刺を差し出されて助かった。で、その名刺に驚く。1ケ月の旅行専用の挨拶文を日英併記した名刺だったのだ。いつもは会社員としての名刺を配っていただけだったけど、これも1つのcommunicationの方法なのかと感心した。オモテ面には日本語と英語でこう書かれていた。

「はじめまして。私たちはオランダから来ました。そして私たちは初めて日本を旅行しています」

<頂いた名刺> ※名前やアドレス等は非表示

ウラ面にも、日本人の心をくすぐるような文面が書かれていた。こう書かれると不思議なもので、日本人としてinboundのお客様に親切に接しなきゃあ、と思ってしまう。

そんな訳で、前項の蝶ケ岳の記事は敢えて英語を書いてみたのだった。

2018年夏の徳澤園ではAmebaブログを始めるきっかけをくれた人と出会えたし、2019年もまたこの小屋でいい出会いがあって良かった。

徳澤園に連泊

徳澤園に戻ってくるとホッとする。ここは山小屋ならぬ広々とした造りだし、風呂に入れるし、暖炉の傍でマンガを読めるし、食事も美味しい。

昨年、連泊してみて夕食メニューが違うのを知った。昨年は定番のステーキに代わってビーフシチューだったのだ。今年も期待したが、なんとローストビープっぽい肉が少々、これが最高に美味しかった! 他にもサーモン刺身、海鮮マリネ(ホタテ・タコ・搾菜・オリーブ入り)、山菜てんぷら(行者ニンニク・太いタラの芽・こしあぶら等)、豚肉のすまし汁などとにかく豪華だった。

<いつものステーキ、連泊でローストビーフ>

カブの漬物まで美味しくて、一緒に食事した福岡のご夫婦もこれにはビックリしていた。ついつい呑み慣れないワインまで頼んでしまう。

<海鮮マリネ>  <てんぷら>

隣りの席は蝶ケ岳まで日帰りでピストンしてきた兄ちゃんだった。体力あるなあ。私が日帰り山行したら、あまりの長さにきっと下山道でへたり込んでいたんじゃないか。

で、その向こうに座っていたオランダ人カップルの食卓はヤケに貧相だった。3連泊の日だったし飽きてきたのかと思っていたら、なんとスキヤキ! が運ばれてきた。初めての来日だけどスキヤキを器用に箸を使って食べていた。そっか、ここに3連泊するとスキヤキを食べられるのかと、ついこっちまで妙に高揚した気分になった。彼らは4連泊と言っていたし、明日はどんな牛肉料理を楽しむのか、自分が食べられる訳でもないのに妄想してしまった。

<サーモン刺とカブ>

あっ、そう言えば、東京に戻ってから慌てて打った「Mt.Chogatake(蝶ケ岳)」ブログをオランダ人にメールで案内したら、しっかり返信メールが届いていた。もう函館に着いたとの事。蝶ケ岳山頂の雰囲気が伝わったようで良かった。

これはオマケ。ビールのツマミに食べたマヨネーズ味のおかきも美味しかった。マツコデラックスのTV番組で紹介された事があるらしい。

<ラッキーマヨネーズ>

徳澤~河童橋

徳澤園の朝食で珍しいものを食べた。黒っぽい器の山芋千切りの上に乗っている黄色のタマゴがイワナのタマゴだった。イクラよりちょっと固めだ。

さて、ここ最近のブログで徳澤~蝶ケ岳ルートを紹介してきたが、バスが徳澤まで通っている訳ではない。上高地バスターミナルから徳澤まで6.6kmを2時間ほど歩く。もう何度も歩いた道だ。ここを歩かない事には涸沢にも蝶ケ岳にも辿り着けないのだ。今年は花を見つけられなかった。唯一、立った形の赤いモノが出掛かっていた。時期的にザゼンソウの子供なのか。

<朝食>  <ザゼンソウ?>

GWにほぼ同じ日程で歩いても花は違う。去年は河童橋~徳澤間に咲き誇っていたニリンソウが、今年は全くなかった。本谷橋の少し先に一輪だけ咲いていたショウジョウバカマも、今年は見つけられず。

<2018.GWの上高地にて>  <2016.1の上高地にて>

サルは5~10頭くらい見掛けた。真冬に上高地に来ると、猿は平然と私の前に座り込んでいつまでも木の実かなにかをかじっていたけど、流石にこの季節はニンゲンが多いのでスタスタと林の中に隠れていく。

最初は、この道って観光客も多いしどうかと思っていた。特に河童橋から明神は観光客で溢れかえっている。登山者がお互いに挨拶するのは明神を過ぎた後だ。でも、いい季節に当たると他で見られない花もここで見られる事がある。2つほど紹介しよう。いずれも何年か前のお盆前に見つけたものだ。その時期には河童橋の近くでオダマキも咲いていた。

<2017.8月上旬:トモエグサとジャコウソウ>

上高地バスターミナルに戻ると松本名物・山賊焼で早めの昼を食べて、上高地を後にした。

<河童橋の傍の清流、山賊焼>

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