晩秋の新潟旅

2019年のシマ旅は粟島か飛島か

旅行日: 2019.11.下旬

粟島に行こうと思った。と言うか、2008年以来、このところ毎年どこか国内のシマに1〜3泊している。でも、今年はまだどこにも上陸していなかったので、粟島にしようと思っていた。粟島は新潟県の北部・村上(名酒〆張鶴の産地はココ)の沖にポツンと浮いているシマで、わっぱ飯くらいしか知らない。ただ、いつも鳥海山とか月山へ登山するのに鶴岡や象潟へ行く時いつも通過しているので、その存在はずっと気になっていたのだ。

シマ旅にはロマンがあるし、ゆっくり船に揺られていくのは何よりくつろげる。ここ数年はずっと伊豆諸島とか小笠原とか南方の島が続いていたので、候補としては日本海側のどこかでボンヤリ思い浮かべていた。

・第一候補は粟島

・それと、そのちょっと上の飛島

・遠くなるけど、山口県の青海島

・他には、八丈島の隣りの青ヶ島、鹿児島のトカラ列島……

尚、トカラ列島には南太平洋の島々で今でも残っていそうな蓑を纏った装束の昔ながらの風習が残っていて憧れるけど、交通の便が悪いので1週間くらい見ておかないときっと帰って来られないんじゃないか。

で、上越新幹線に乗ってからメールで宿の問合せをしてみる。で、新潟で新幹線を降りて村上行きの鈍行に乗り換えた所で、メールの返信が届いた。宿はある、でもこの日の午後から村上~粟島の船便はシケで欠航すると云う。えっ! もう出発しちゃったし、そりゃあないでしょ。確かにこの日は東京も新潟も雨だったけど、午後には止む予想だったんだけどなー。

<カーフェリー、海は碧い>

そのまま酒田まで北上して飛島へ行く手もあったけど、そっちの船も欠航だと判明。で、急遽ながら目的地を佐渡に変更した。行きは初めてのジェットフォイル。飛行機のエンジンを使っているから速い(その代わり年に1回くらいは鯨とか大型の生物と衝突するらしい)と聞いていたけど、確かに速い。揺れるし、航行中はとにかくトイレに立つのも憚られた。尚、帰りの便はカーフェリーは安心できるし、しかもゴロ寝できた。往路は1時間、復路は2.5時間の船旅だった。

<金北山かドンデン山、加茂湖のほとりで>

佐渡ケ島に着いて、やけに閑散としていると思ったが、季節柄まあ仕方ない。小木も両津もまだ20代のころに友人と行った事あるけど、いずれも夏場。この時期はドンデン山に登ろうにも、既に降雪が観測されたので道路は冬季閉鎖中だと言う。標高1000m以下だしイケナイ事はないヨ、と教えてもらったが、往復5時間するようなテンションでもなかった。出たとこ勝負の旅は面白いけど、時に何の成果ももたらさない時もある。これは已む無し。

<牡蠣殻と牡蠣の筏(2)>

シマだけにまだまだ古い木造住宅も残っていた。そのまま加茂湖のほとりをずっと歩いていくと、牡蠣のカラをうず高く積み上げた処が目立った。湖面にはカキの養殖筏も浮いていたし、ちょうどカキの季節になってきたので最近になって積み上げられたものだろう。牡蠣漁に使う小舟を曳き入れた舟屋も並んでいた。東京にも人形町や浜町の辺りに日本橋蠣殻町って地名があるけど、江戸時代にはこの景色が広がっていたのかも。

<朱鷺(3)>

トキの森公園でトキを見学してみた。確かに顔が真っ赤。でも、中には顔も嘴も真っ黒な種類もいた。羽根を大きく広げると淡い朱色が綺麗なんだろうけど、そんな場面にはなかなか出会えるものではない。尚、トキは臆病な鳥なので傘を差して脅かしたりしないで、と注意書きされていたのでお静かに。

<あと2枚(2)>

新潟イチのお寿司屋さん

で、佐渡から早めに撤収して新潟市内で軽く呑む事にした。いつものヤマ旅とは違うけどまあこういうラクな路線も偶にはいい。佐渡ケ島でカキ(昨日の記事を参照)とイカを目にした事もあってすし屋に決めた。

<佐渡のイカ(2)>

新潟駅の万代口からそのまま真っすぐ日本海方面に進むと、程なくして北前船を似せたビルが右手に見えて、その先の萬代橋を渡る。もうこの橋を10~15回以上は往復しているなあ。最初が20代の雪の舞う2月末でそれが嬉しかった。毎度、この橋を渡るとその頃に4人でワイワイ話しながら通ったのを想い出して感慨深い。あの時想像していた人生ってどんなものだったのかもうハッキリ思い出せないけど、まあ今はこれまでの積み重ねの結果。思い通りの事ばかりじゃないけど、それはそれで正解だったと思うのだ。

<帆をimageしたビル、すし屋の暖簾(2)>

さて、古町に入って郵便局近くの角を曲がって小径を進むと目当ての店が在った。地元の友人に教えてもらった新潟一のすし屋さんへ久々に入ってみる。今回は生憎都合が付かなかったので一人で入店。

<いくら、平目・ブリ・南蛮エビなど(2)>

港すしは17:00開店だったので一番乗り。鶴齢(六日町あたりの酒)はサッパリしていて呑みやすかった。前に新潟でえごねりとか地のものを食べた事があったけど、今回だと南蛮エビかそれだ。

<タラ2品、カニ酢(2)>

茶碗蒸しの底の方に半透明の糸状のものが入っていた。ちょっとコリコリした食感があった。もしやフカヒレか、それとも固めの春雨だったのか。もずくはとろみが強かった。最後にエビ、アジ、トロ、アナゴなど握りを何貫か頂く。アナゴはふっくらしていて美味しい。

<茶碗蒸し、村上のもずく、サラダホープ>

新潟のおみやげ

新潟の菓子と言えば有名なのは柿の種。ただ、自分が唐辛子系はNGだし小分けしにくいのでパス。黒コショウ味の煎餅もパンチがあって好きだけど、今回はサラダホープを買う。亀田製菓のあられなら全国どこでも売っていそうだけど、これはなぜか新潟ローカルの商品らしい。枝豆味が好き。

鶴齢の梅酒、黒胡椒せんべい、サラダホープ、いずれも2年くらい前に登った八海山で見つけたものだ。まあ正確に言うと、時間切れのため女人堂で撤収しているので目標未達でした。

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