カタクリを探して

時期: 2020.4初(緊急事態宣言前)
工程: JR大月駅-むすび山-JR大月駅(片道1時間くらい)

カタクリはどこで咲くのか

森吉山に登ってから、筋肉痛で悲惨な日が続いた。その間コロナ感染が広がり雪山に出かけられる雰囲気ではなくなってしまった。 

なので4月初旬になって、紫色で花びらがそっくり返ったカタクリの花を見たいと思って、山を探した。先ず、栃木県の三かも山(”かも”は毛が3つ並んだ難しい漢字で上手く表示できない)を思い出した。花の時期はまだ間に合うのか電話してみたら「今年は既に終わり」だと言う。残念。 

次に目を付けたのは、新潟県の角田山とか六日町。でも前者はハッキリ判らず、六日町の六千騎山とか坂戸山はちょうど盛りだと言うが、如何せん新潟は遠い。いずれも低山であり、どこかもっと近場で咲いていないのかと思い、更に検索してみた。長野県・茅野は今年既に2回も行っているので除外。長野市近郊も遠そうだ。 

そんなこんなで、東京から至近距離の大月を見つけた。のんびりと鈍行で行ける範囲なのが嬉しい。そんな訳でカタクリの花を初めて見に行く事にした。 

むすび山は小高い丘だった

<大月駅前、大月中央病院>

JR大月駅から線路沿いに南西方向に歩いていく。国道沿いを歩いていくのでトラックがウルサイ。 
どんどん歩けども、駅前の案内所で聞いた目印となる中央病院なんてサッパリ見当たらず。病院の方向すら間違えていた。コンビニとかガソリンスタンドで訊いても「そんな山は知らない」とか「地元だけど俺は行った事ない。確かあのヤマだよ」と教えてくれる程度だった。むすび山ってそんなにマイナーなspotなのか。 

<案内板(2)>

思いっきり引き返して坂を上ると病院あり。そこを通り越して案内板を見つける。そこからようやく住宅地に入り、道なりに進む。道が途切れたところで2つ目の看板を発見する。 
しかも紛らわしいのが「高川山」と書かれたプレートの手前ではなく、その奥の民家の芝生から入っていく事。ちょうど下山してきた方に教えてもらった。 

ここを登っていくと、カタクリのそっくり返った花が沢山咲いていた。

<カタクリの花>

他にはスミレ等。 
<スミレ、ウツボカズラかマムシグサか>

あと5~10分で呆気なく山頂に着く。気分的には新宿・戸山公園の箱根山(標高44m)と大差ないくらいじゃないか。ただ、中央病院まで、そして住宅地も緩く登ってきたので、見下ろすと出発地であるJR大月駅が小さかった。念のためGoogle検索してみると、大月駅が標高=358m、むずび山=463mだった。 
小さな街ののどかな風景の中に佇む。山頂の碑には消えかかった状態で「大月防空監視哨跡」と書かれているだけ。どこにも「むすび山」とは明示されていなかった。ちょうどJR初狩駅から登って高川山から縦走してきた女性と出会い、少し会話する。
<むすび山山頂、その脇でジュウニヒトエ>

むすび山から寄り道

この日は大月駅からゆっくりスタートしたので、むすび山山頂に着いたところで既に午後3時を回っていた。ここからJR初狩駅まで山道を2~3時間も歩く気力はサラサラなく、ここで撤収する。病院を通り過ぎた頃、川沿いに細い道があったので、少し寄り道していく。
<黄色とうす紫の花(2)>

この黄色と紫の花は何なのか。見慣れない花だ。 
どちらもスイスとかイタリアのドロミテで見た花と似ている。 

<中央病院脇の川と橋の狭間で(2)>

橋を渡って、大月駅へと国道を歩いていく。菜の花の先に見えるのは富士急行のプラットフォームみたいだ。上大月駅か。 

<帰り道、桜と菜の花>

大月駅前で喰らう

さて、駅に戻って遅めのランチを物色する。朝からたいして食べてなかったので、軽く腹ごしらえする。どうみても新じゃがの素揚げに見えるのだけど、「せいだのたまじ」と書かれたモノあり。バターと甘めのゴマ味噌が乗っていた。ビールのツマミにありがたい。 
【参考】せいだのたまじ 

『せいだ』とは、中井清太夫の名前からつけられたジャガイモのことです。『たまじ』とは、主に上野原市の棡原地区や西原地区などで呼ばれていた小粒のジャガイモのことです。 ※出典は以下参照

せいだのたまじについて(上野原市サイト)

<せいだのたまじ、おざら>

大月ではもう1つ発見したものがある。桃太郎って吉備団子だから岡山じゃないの、フルーツ王国山梨だから桃なのか? ネットで検索すると、なんと大月発祥説があるらしい。確かに百蔵山があるなぁ。

【参考】大月の桃太郎伝説

大月市には古くから桃太郎の伝説がありました。昔むかし、おばあさんが「桂川」で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと大きな桃が「ももくら山」の麓から流れてきました。その桃から生まれたのが「桃太郎」。「鶴島」にて成長した桃太郎は、「岩殿山」に住む悪い鬼の退治に出かけました。道中、腰に付けたきび団子をあげ、「犬目」でイヌを「鳥沢」でキジを、「猿橋」 でサルを家来にしました。 ※出典は以下参照

大月観光協会サイト

<駅前の自販機、中央線から桃の花>

2年続きで春日居の桃の花

中央線を西に進むと、勝沼ぶどう郷駅前で桜が盛りだった。もう少し進むと塩山駅辺りから春日居駅に掛けて、車窓が濃いピンクに染まってきた。そう桃の花の季節だ。この辺りは桃とぶどうの果樹園が多い。車窓からカメラを構えても近くを撮ろうとするので流れてしまう。 

<春日居の桃>

そんな事で、翌日は春日居駅で降りて桃の花を少し眺めていく。実はこの季節にここを歩くのは2年連続だ。足に森吉山のダメージが残っていた事もあり、この日は平らな桃畑が広がる道を軽く歩いただけで終わりとした。

以下、2024.4.16追記

今月、越後の低山を歩いた。隣り合った三座で、樋曽山、角田山、弥彦山。この三座はどこもカタクリの大群落が広がっていて満開だった。速報は以下Amebaブログのリンクを参照。

越後の三低山にカタクリの大群落 | cx0293のブログ(登山やカヤック、海外旅行など) (ameblo.jp)

それと、弥彦山の田ノ浦登山道(裏道)で水色の花のエンゴサクを見つけた。か細い花だった。この花を見たのはおそらく初めて。
で、改めてむすび山(2020.4)や高川山(2021.4) で見た黄色や紫色の花はエンゴサクではなくてキケマンやムラサキケマンだったのだと今頃になって理解できたのだった。

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