秋葉山の秋葉神社
時期: 2020.4上旬(全国緊急事態宣言の発出前)
人出: 20人前後
行程: 秋葉神社バス停(10:35)→下社(10:45)→茶屋跡(12:00)→上社(13:05)→茶屋跡(14:15)→秋葉神社バス停(15:20)
西鹿島駅から秋葉神社・下社へ
火の神様に秋葉神社がある。昨年12月に房総半島の岩井で富山に登った時にも畑の一角にその灯篭を見つけてその広がりを知ったばかりだけど、その本山が浜松市の北部、旧春野町にあるので出掛けてみた。この秋葉神社だが、実は東京の人にとっても縁がある。AKBのアキバ、秋葉原も秋葉神社に由来した地名なのだ。
※参考:2019.12房総半島・岩井の富山ブログ
JR浜松駅の傍から遠州鉄道に乗って終点の西鹿島駅へ。西鹿島駅前からバスに乗換える。二俣の町を抜けて桜の花を見ながら田舎の山村をいくつか通り過ぎて、澄んだ気田川(天竜川の支流)を渡り秋葉神社前で下車。
<秋葉神社前バス停(2)>
門前屋旅館とみやげ物やと思しき店があったが閑散とした所だった。先ずは、そのまま神社の階段を上がり秋葉神社・下社へ向かう。
帰りのバスまで時間が限られているので、そそくさとお参りを済ませて上社への道に進む。参道の端には旅館が1軒、何故かこんなところに似つかわしくない営業中のマッサージ屋が1軒、それと古めかしい「卵油製造」と 彫られた看板の木造2階建て家屋が1軒、他に民家が10軒ほどと静かな村だった。 「ブチッと野本のプチ卵油~♪」ってCMソングは聴いた事があるけど、まだ食した事はない。
軒先に小船を吊るしてある家もあった。近くの気田川で漁でもするのだろうか。
<秋葉神社・下社(2)、軒先の小舟>
帰りのバスまで時間が限られているので、そそくさとお参りを済ませて上社への道に進む。参道の端には旅館が1軒、何故かこんなところに似つかわしくない営業中のマッサージ屋が1軒、それと古めかしい「卵油製造」と 彫られた看板の木造2階建て家屋が1軒、他に民家が10軒ほどと静かな村だった。 「ブチッと野本のプチ卵油~♪」ってCMソングは聴いた事があるけど、まだ食した事はない。
軒先に小船を吊るしてある家もあった。近くの気田川で漁でもするのだろうか。
参道と言っても2時間の山道が始まると、それはもう立派な登山道だ。最初はシャガの花が左右に咲き揃って出迎えてくれた。次のタテに細長い包み状で蓋が付いているように見えるのは、ウツボカズラ(orマムシグサ)なのか自信が無い。
<シャガ等(3)>
しばらくすると「海抜200メートル」の立て看板に出くわす。そう、秋葉神社・上社は秋葉山山頂(標高885m)にあるので600m も登るのかと焦る。もうちょっとバスで標高を稼いでおけると楽だったのに。
<海抜200mの札、参道(2)>
直登してゆく
まだ、海抜200メートルを通過した所で先は長い。樹林帯を歩いているので見えるモノはシダとシャガくらいだけど、上を見上げると木漏れ日が綺麗だった。
<木々(3)>
標高も低いし静岡県は暖かいし、木の葉っぱがこんもりしている。いつも登っている長野・山梨の山より暗い感じがして、一昨年の九州・久住の登山道を思い出した。
※参考:2018.6くじゅう連山
それゆえか、それとも宗教的に夜に登る慣わしでもあったのか、ずっと常夜灯の灯篭が続いていた。金原明善の名前が出てくるのもこの地方ならではだ。金原明善は「あばれ天竜」と言われた天竜川の治水に尽力された方だ。
<常夜灯、サルの腰掛、子安地蔵(3)>
1時間ほど登ると茶店跡があった。看板を読んでみると、戦争中に閉店したけどつい最近までそう平成の終わり頃までずっとこの山奥で暮らしていたとか。しかも、99才でやっと山を下りる決心をされたとか。こんな山奥で暮らすのは体力・気力どちらが欠けても無理だ。
この参道、と言うか登山道は東海自然歩道の一部になっている。単調な登りがずっと続き、木が茂っているので眺望はあんまり望めない。途中、視界が開けたのは1~2ヶ所だけだった。何でだろうか、鉄塔の下で空を見上げると日テレ「Q10」を想い出す。
<茶屋跡の案内板、電気の通り道(2)、秋葉寺>
確か連ドラの最初のほうに無機的な鉄塔が登場する場面があった。木皿泉の脚本は痺れる台詞が散りばめられていて好きだった。どれも日テレ作品だけど「Q10」や「野ぶた」「セクシーボイスアンドロボ」等どれもリアルタイムではその存在を知らなかったけど、数年前にDVDで「すいか」をレンタルで見た後でまとめて一気にチェックした。
その先を30分くらい登ると、秋葉寺があった。毎年12月に秋葉の火祭りがあるって聞いたことあるけど、ここで催されるらしい。ここまで1時間半ほど登って来たので年配の観客にとってはそこそこ難儀じゃないか。
山頂に秋葉神社・上社
この参道もそろそろ終盤に入ってきた。決して急な登りではないけど、下りやflatな道が全くなくて単調な登りが続いた。ようやく「海抜800メートル」の標識を見つけて、そろそろ秋葉山頂(上社)が近いと感じる。
<海抜800mの札、秋葉神社・上社(2)>
上社はコンクリート造りでかなり立派だった。と言うか、古の風格は全く感じられなかったけど、眺望は良好だった。遠州灘とか太平洋を望んでいたのだろうけど、やや霞んでいたのか海をハッキリと見た実感はなかった。ジュビロ磐田のドデカイ絵馬が社殿の隣りに飾られていた。
<秋葉神社・上社(+2)>
登りはTシャツ1枚で凌いだ。山頂が神社の敷地だからなのか、秋葉山山頂の碑は確認できなかった。上社(=山頂)に着いて休憩していると肌寒くなってくる。木製の防火のお札を買って下山する事とした。でもなあ、小=2500円はちょっと高過ぎ。しかも大=4000円って価格設定はヒドイ。
ここの登山道はかなり緩やかな道で歩きやすい。木を地面に嵌め込んで傾斜を緩やかにしているので下りはラク。まさかと思ったけど、下りでゴトゴトと唸り声を上げながら登ってくるトラクターとすれ違った。
<なだらかな参道、トラクター、怪我したタヌキ?>
下山してから、駐車場近くでなにやら足を引き摺りながらゆっくり歩いている。車の下を覗いてみるとタヌキだった。実は野生のタヌキを見たのは初めて。しかも、足だけでなく首の後ろ部分の毛が抉れているみたいで可哀想だった。
尚、この山頂から東海自然歩道を西に進むと2~3時間で秋葉ダムがある旧龍山村西川に降りられるらしい。その先を西に進むと渋川を経て愛知県に繋がっていくとの事。いずれにせよ浜松の中心部から向かうにはちょっと手間の掛かるエリアだ。延々と縦走する気はないけど、トレイルを絞ってまた歩いてみたい。
コロナ自粛で重苦しい時期にリフレッシュできた。秋葉信仰のために登るには大変だけど、山登りには快適なスポットだった。