遠州の粟ケ岳
時期: 2020.4下旬
人出: 約20人
行程: 東山バス停(12:55)→(道迷いで30分ロス)→阿波々神社(14:30)→粟ケ岳山頂(14:35)→東山バス停(15:40)
掛川の茶畑を見ながら登り始める
この日は東海道新幹線のJR掛川駅からスタートした。東山ゆきバスで終点で下車して、そこから歩き始めた。目指すは、山肌にお茶の木で作った「茶」文字が浮き出ている粟ケ岳(標高532m)だ。コロナ自粛でダラダラしていたので、この日もゆっくりスタートだった。
<粟ケ岳山頂、絵馬、座席封鎖>
掛川駅前は閑散としていた。バス待ちの人はまばらだった。バスに乗ると、先頭席と運転手さんのすぐ後ろの席は、ソーシャル・ディスタンシングのため座席封鎖されていた。バス停に着いてすぐ目に飛び込んできたのが鯉のぼり。ポールに立てている家もあったけど、谷あいに横に10匹くらい泳いでいた。もう少し近づいてみるとこんな感じで風にそよいでいた。
<鯉のぼり(3)>
歩き始めてすぐに茶処「いっぷく処」があるのだが、緊急事態宣言のため臨時休業していた。道なりに村の中を登っていくと、おのずと茶畑に突き当たる。
この界隈は掛川市や牧之原市、川根本町、森町など静岡茶の産地がずっと続いている。新幹線の車窓からも見えるけど、ここ粟ケ岳一帯も山肌を覆うようにずっと茶畑が広がっている。そこをゆったり登っていくのだ。こんな山旅は初めての雰囲気だった。
<茶畑(2)>
最初は、茶畑を右手に見ながらもの珍しそうに道なりに登っていた。それにしても綺麗に刈り込んでいるものだ。ちょうど茶摘みの季節なのだろうか。所々は黒いネットを被せている茶畑があった。
<向こうの山肌も茶畑、寄ってみると>
フジの花って藤棚でしか見た事がなかったけど、葉も茂ってかなり大振りな樹木だった。まだ4月なのにアザミも咲いている。
<藤、アザミ>
そんな事に気をとられていたら登山口の看板を見落として、ヤマ向こうの下り坂に入ってしまった。明らかに間違えた。慌てて戻ったもののこれで30分ほどロスしてしまったので、帰りのバス時刻(15:03)には間に合いそうもない。
後半はいつもの登山道
引き返して、ようやく登山口を発見。しっかりと「粟ケ岳ハイキングコース」と書かれていたのを見落としていたのだ。
この日は片道60分のハイキング気分だったので、ザックも背負わずに来た。トートバックに着替えのTシャツとペットボトルを詰めただけだった。地元の人も犬の散歩がてら登っているみたいで、みんな軽装だった。軽く舗装された茶畑を縫うように登っていく。この辺りは茶草場農法で栽培しているとか。詳細は以下参照。
※茶草場農法: 静岡の茶草場農法は、2013年に世界農業遺産として認定された、静岡県に特徴的に見られる農法です。高品質な茶の生産のみならず、豊かな生物多様性の保全にも繋がっています。 このように、農業と生物多様性が同じ方向を向いて両立していることが世界から注目され……※引用元サイト
静岡の茶草場農法
<これもスミレの一種か、マムシグサか>
30分ほどでいつもの山道に入る。いろんな花が咲いている。この紫の花は大月でも秋葉山でも見かけた。昨年もGWに伊那谷の里山で見たけど、名前を知らない。
<白い花2種(2)>
実はこれまで4月って雪山優先で歩いていたので、秋葉山とかこことか結構新鮮な気分で歩けたのが嬉しい。発見も多い。ただ、シャガはこのところ見続けていたので、かなり大規模に群生している箇所があったけど写真は省略する。
<黄色い花はフジダイゲキなのか、スミレ>
神社のすぐ裏手に山頂の標識があった。碑ではなく、密集した細い木の幹に「粟ケ岳山頂」と書かれたシンプルなプレートがあるだけだった。しかも3つも括りつけてあった。
途中にかなり昔の石組もあった。そろそろ山頂かと思っていたら阿波々神社の社が現れた。その傍には白いシャクナゲが何本も咲いていた。長野や山梨の山ではだいたい6~7月に咲くのに標高が低いともう咲くものか。
<阿波々神社、シャクナゲ、ドウダンツツジ、緑になりきれない若葉>
ドウダンツツジも4月じゃないよなぁ。いつも登っている甲信よりも南に位置する低山だとなにかと季節の巡りが早い。
<シダ、夕日>
バス停には15:40到着。でも、茶屋は閉まっているし、次のバスは16:43発だったのでボンヤリ過ごす。帰りの電車に乗った時にはやや暗くなり、奇しくも夕焼けが綺麗な時間帯と重なって嬉しかった。