葦毛湿原から湖西連峰へ

時期: 2020.5上旬(緊急事態宣言の発出下) 
人出: 40~50名

行程: 岩崎・葦毛湿原バス停(11:40)→葦毛湿原入口(11:55)→登り始め(12:30)→二川中継所方面との分岐(13:05)→東山<松明峠>(14:10)→二川登山口(14:35)→JR二川駅(14:55) 

葦毛湿原を歩く

4月の湖西連峰(神石山)が良かったので、今度はその山塊の西端を歩く事とした。葦毛湿原って聞いた事はあったけど、「東海地方の尾瀬」って形容詞が引っかかっていた。ちょっと誇張が激しいんじゃないか、だとすると現場に行ってガックシする心配もある。 

<ピンクの小花、緊急事態宣言の看板、入口の道標、グッと持ち上がるような枝ぶりの樹>

JR豊橋駅からバスに乗って30分くらいとアクセスは良い。緊急事態宣言が出ているというのに、駐車場には20台くらい止まっている。アウトドア派が殆どだと思うけど、この時期はもしかしてコロナ自粛に耐えられない人も混じっていたかも。溜池の横の道を通って湿原に向かう。 

<若葉、若葉に幼虫、荒れた湿原(2)>

湿原の入り口辺りでいきなり幼虫を見つける。葉と同化しているようでやっぱりゆっくりと動いている。湿原は湖西連峰の山の麓、やや斜面になっている場所に広がっている。ただ、普通にimageする湿原とはかなり異質。先ず標高100m未満であり、土がかなり乾燥している。 

湿地帯や木道があるのは本当だけど、正直なところ湿地と言える箇所はかなり狭い。あちこちに「湿地回復作業中」の札が掛かっていて、かなり苦労している感じだ。広さも入笠湿原(長野県入笠山のちょっと下で標高1800mくらい)より明らかに狭い。なので、「東海地方の尾瀬」って表現はかなり厳しい。昔(1970年代)の写真が貼ってあり、昔は豊かな湿原だったのだろう。でも、今の状態はかなり悲しい。で、その周囲は樹木に囲まれていて、南側は木を倒して湿地回復をしている途中みたいだった。 

<タツナミソウか、コバイケイソウ>

最初に見つけたのはタツナミソウ。尾瀬で目立つコバイケイソウが葦毛湿原にもあった。ここは三河地方なのでミカワバイケイソウと呼ぶらしい。 

西の端から湖西連峰へ

いくらコロナ感染が心配だからと言っても、ヤマを歩いている時にはマスクしていない。でも登山者の一部は律儀にマスク着用されている。偉いと思うけど、口が覆われてしまうと呼吸が抑制されてしまうのでマネできない。

早々に湿原を後にしてヤマに入っていく。山道にはシダが茂っている。季節柄か若い弦が伸びてきていた。石巻山はちょっと遠そうだったけど、普門寺と普門寺峠を経由して4月に登ったばかりの神石山(湖西連峰)に再登するのもありだった。まあこの日はあまりガツガツ登る気分でもなかったので、少し登ってから南下してJR二川駅に出るルートを選んだ。

<シダ、若いシダの芽、ツツジ、中継所方面とJR二川駅への分岐>

葦毛湿原から湖西連峰に入って、緩い山道を進んでいく。しばらくすると、「左:二川TV中継所、右:二川方面」の看板が立つ分岐に出る。左はもう少し登る感じだ。

ツツジのピンクはもう盛りの時期を過ぎて枯れているのが目立ってきた。4月の湖西連峰より僅か2週間くらいだけど、確実に季節は進んできている。こうした写真を撮っていくと、新芽も花が開くようにゆっくりと成長していくのが判る。あと2週間~1ケ月もすれば新緑が輝いてくるのだろう。 

<新芽の出始め、それが開いてくる、黄色の小花、若葉>

松明峠からJR二川駅へ

右に進むと基本は下りの筈だけど、1時間ほど上り下りを繰り返す。低山でもずっと尾根つたいに進むので気分はいい。2~3ケ所見晴らしがいい場所があり、東側は静岡県湖西市で浜名湖の青が湖西連峰のすぐ向こうに見える。西側は愛知県豊橋市になる。ちょうど県境に広がる山塊なのだ。 

<のっぺりとした緑の葉、湖西連峰を振り返る、浜名湖方面、ほろよい缶のオブジェ>

電線がずっと伝わって湖西連峰の北の方に延びていく。もしかしてこれが愛知県と静岡県の県境なのか。眺望が開けた場所があり、かすかに浜名湖が見える。4月の神石山よりちょっと西側を歩いているので、ホントにかすかに浜名湖の入り組んだラインを確認できる程度だった。勿論、その右手には太平洋(遠州灘)が広がっている。

ほろよいとか氷結、コカコーラのアルミ缶を上手く切り込み細工したのが枝に吊るされて、カラカラと回っていた。この日のピークはハッキリ判らなかったが、おそらくこの名無しの眺望スポットが最高地点じゃないか。その南側にある東山(標高258m)も登り返したピークだったけど、ここよりも少し低い感じだった。 
<葉の裏に咲く白い花、東山山頂(松明峠)>

東山山頂でも眺望あり、湖西連峰の山々がずっと続いているのを確認できる。コロナ騒動がなかったら湖西連峰に登る事もなかったかも知れないけど、改めて低山もいいなあと思った。あとはゆっくり下るだけ。登山口からJR二川駅まで15分くらいだった。ここも掛川や見附(磐田)、浜松、吉田(豊橋)などと同様に東海道五十三次の宿場町だったと知る。

湖西連峰へのアクセスは静岡県サイドだとJR新所原駅か天浜線・知波田駅に限定されるけど、愛知県サイドだとJR豊橋駅からバスを使えるので便利だと判った。どうやら石巻山登山口にもバスが通っているみたい。石巻山とか大知波峠、富士見岩などまだまだ歩いていない所が多いので、また訪れたい。

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