緊急事態宣言解除後に御在所岳へ(後編)

イワカガミにタテヤマリンドウ

ここで山頂(正確には富士見岳の辺りなのか)が緑で輝いて眩しく見える。標高900mなのでまだまだ標高差はあり登るのだ。それでも、山麓の湯の山温泉駅が約400mなのでそこそこ登ってきた訳だ。

看板のキレットって何もないよと安心していたら、確かにその先が切れ落ちている。標高900mとキレットの違和感で一瞬焦ってしまった。こういう時は他の人に道を譲って、ゆっくり行こう。降りてしまえば何のことは無い難所で、高さも然程ない。
<眩しい山肌を仰ぐ6合目キレット(2)、ここを下る、下ってみれば登りはラクそう>

この日の主役はイワカガミ。今年は初だな。
<イワカガミ(2)>

そしてもう1つの主役がタテヤマリンドウ。こちらも小振りな花だ。でも意識してみたのはこの日が初めてだった。ちょうど花の盛りなのだろう、かなりの数が群生していた。いつもと違う山域を歩くと、違った花を見られるものだ。
<タテヤマリンドウ(2)>

ずっと若葉が眩しい道を登っていく。正五角形を描いた葉っぱも下の方では綺麗な緑色だったけど、登ってくるとへりが徐々に茶色く縁取られてきた。
ようやく8合目に辿り着く。ここも眺めが良かった。この少し先の岩場が怖かった。この写真はそこを降りた直後に撮ったものだけど、足を置くスペースが足幅の1/4くらいしかなかった。不安定だ。滑らせば落ちるし、鎖に完全に身を任せていいのか不安だった。
<若葉が続く、綺麗な五枚葉のヘリが茶色くなってきた、8合目の眺望、その先の岩場が怖い>

山頂にはシロヤシオが咲いていた

8合目から先にもう少し上っていくと、舗装道路が出てきた。「ロープウェイ山頂駅」の看板もある。おっとこれで登りは終わりか。この石像は鎧を着けた羊が立っているように見えたけど、的外れかも知れない。
<富士見岩、傍の石像、山頂までなだらかな道、新芽>

展望が開けてきた。その後、山頂リフトと並行になだらかな山頂公園を歩いていく。そっか、こうして歩いてみると、登山中にずっと見上げてきたのは御在所岳だけじゃなくて、その手前のヤマだったのかも。
<シロヤシオ(2)>

登山道にずっと続いていた綺麗な正五角形を描いていた葉っぱの正体が判った。シロヤシオだったのだ。これかぁ~。前に、雪の涸沢ヒュッテだったかどこかの山小屋でストーブを囲みながら雪を凌いでいる時、「GW前半に丹沢でシロヤシオが綺麗だった」って云う登山者がいたので、一度見てみたいと思っていた。そっか、御在所岳だとこの季節に楽しめるのか。
今年は、カタクリとかタテヤマリンドウ、シロヤシオなど初物をいくつも拝む事ができた。普通のツツジよりも大柄な木で、花も目立つ存在だ。
ようやく標高1212mの山頂に到着。リフトで上がってくる人が多いのか、コロナ自粛下でも結構な人出だった。山頂で、東西南北4方向を指し示す塔があった。2つは三重県(伊勢湾と鈴鹿山脈)、残り2つは滋賀県(伊吹山と琵琶湖)で将に県境の山だった。そこから5分ほど滋賀県側に歩くと望湖台がある。山の彼方に微かに見えたのが琵琶湖だったのか。ちょっと朧げだった。
<御在所岳山頂(2)、ロープウェイで下山(2)>

この日は既にたっぷり歩いたので、帰りはラクする事にした。ロープウェイで一気に800m下ると、さっきまで登ってきた御在所岳の新緑と険しい岩山がスーッツと目の前を通り過ぎていく。このロープウェイもコロナで閉鎖されており、未だ再開されたばかりだと云う。折角なので湯の山温泉でひとっ風呂浴びたかったけど、コロナ自粛でそのまま帰路に着く事にした。
お土産は赤福と大石焼き。久々の百名山count-upで満足できたし、それに四日市の呑み屋(おばんざい・ふじまさ)も美味しかったのだ。
<ロープウェイで下山(+2)、大石焼>

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