秋田駒ケ岳②(やっぱり花の百名山)

駒ケ岳の花々

前回シャジンやエゾニュウの写真を載せたが、その次に多かったのがミヤマハハコグサやセリだった。秋田駒ケ岳は流石に花の百名山だ。他にも、かなりいろいろな花が咲いていた。

ずっとガスで視界不良だったので、その分だけ足元の花をしっかり見てきた。マルハダケブキと違って、初めて見るトウゲブキは丸く放射状に咲いていた。ウメバチソウは八ヶ岳だとかなり標高が高い岩場に咲いているけど、東北だとこの標高で生きていけるのだろう。

<トウゲブキ>

<右上から順にシャジン(2)、トリアシショウマかな、セリかドクセリ、ノコンギク、モミジカラマツ、アキノキリンソウかな、ウメバチソウ、シオガマ、ニッコウキスゲ>

名前を知らない花も2つほど見つけた。1つはタデの一種なのか? 虎杖に似ているとも思ったけど細かな花が多過ぎるし違うなあ。もう1つは「花assort」の2枚目に並べた白い穂で、トラノオの仲間かも知れない。他にその殆どが花が終わって茶色くなっていたけど、小あじさいみたいな植物あり。

ノコンギクやトリカブトは秋の訪れを感じさせるものだ。普通のアザミも咲いていたけど、枯れかけの巨大アザミはどれも下向きに咲いておりちょっと不気味だった。

< 右上から順にコバイケイソウの枯葉、タデかな、トリカブト、ミヤマハハコグサ、シオガマ、初めて見た白い花(3)、タテヤマリンドウ、チョウカイアザミか>
【事後追記】下の段の先頭3つは、ヒメカンスゲやミヤマカンスゲかも

まあこれだけ沢山の高山植物を見れたので、景色を拝めなかったのは致し方ないと思った。またいつか再訪したい山だ。季節的にもう少し早く訪れれば、もっと別の花も見れるんじゃないか。

盛岡の定宿にて

遅い昼食を食べて秋田を後にする。後は岩手県でいくつか寄り道をしていく。そう、この旅のもう1つの目的は美味しい岩手と紫の岩手をリピートする事だった。

先ずは盛岡に戻って、開運橋の方向に歩いていき、北上川の流れを見ながら来不方橋を渡る。2つ目の写真は弦状の植物に色とりどりの実が付いている。1本の茎からcolorfulな実ができるなんて不思議だ。街中に造花があるのもオカシイと思い、検索してみるとイシミカワなのかも知れない。

<冷やし稲庭うどん、開運橋、開運橋のそば、来不方橋のそば>

20代の頃に竜泉洞を訪れた時には、JR盛岡駅の待合室で夜を明かした事がある。まあ、あの当時はまだ寝台列車が走っていたのだろう。でも、新幹線が徐々に広がっていくなかで、24hオープンの待合室は減ってきた。おそらくJR東日本管内で新幹線が通っていないのは茨城県と千葉県だけじゃないか。山梨は7年後にリニアが通るだろう。それに、もう最近ではこちらとしてもゆっくり普通の布団で寝たいので、駅の待合室に頼る事もなくなった。

熊ケ井旅館に投宿すると、ワンコが迎えてくれる。2年前に来た客を覚えている訳もなく、また吠えられる。この旅館の1Fの廊下はツルツルしたコンクリに木の板を所々嵌めこんでいる。この日は盛岡も猛暑に見舞われて暑かった。ワンコも賢いもので、コンクリ部分の方がヒンヤリしているので私に馴れると平気でコンクリの上にペタッと座り込んで離れない。

<熊ケ井旅館とワンコ(2)>

昔ながらの宿だけど、お食事処も営業しており、いつも地元の人で賑わっている。この宿に泊まるのはもう3回目。最初は駅の観光案内所に紹介してもらった宿だ。コロナ前だとinbound客も泊まっているみたい。もちろん食べ物が美味しくない宿には3度も泊まらないんだなぁ。この宿のシステムはちょっと面白い。お通しで凝った料理が4~5品出てくるのがありがたい。

<この日もフルコース(5)>

ホヤを食べるのは初めてだけど、この食感はなんと表現していいものか悩ましい。オレンジ色って海のモノで見た事ないんだよなぁ、なのでこれまでは抵抗があったのだ。皮を剥いたナスに添えられている野菜はうるいとか。これも初物で、見た目と同様にツルツルしている。

右上はあの大間のマグロ、そして左下の白いのがマンボウだと言う。これも私にとって初物だ。湯引きしてあるのを醤油で頂く。岩手県では普通なのかも知れないけど、そもそもマンボウって食べる魚なのか? ユーモラスな姿なので鑑賞用だと思い込んでいたけど、釜石など三陸地方では串焼きや酢味噌で食べるらしい。
うーん、盛岡の夜はなかなかにdeepだった。

紫波の夕焼けを確かめたくて

盛岡の宿で元気が出る朝食を食べる。切り昆布とひき肉の煮物などシンプルな小鉢が嬉しかった。出掛けにおかみさんと会話した。ヤマはいいよねって話もあれば、ちょっとprivateな事も。内容はさておきやっぱり人生はいろいろなのだ。
盛岡から鈍行で東京方面に南下していく。次は紫波中央駅で途中下車。紫波って何処? 何が有名なの? って言う声が聞こえそうだけど、私も栗駒山登山で訪れた2年前に偶々この土地を知ったばかり。とにかく紫色に輝く夕焼けが綺麗な場所なのだ。
<2018年9月に紫波中央駅の前後で撮影> 及び、参考ブログ

’18旅_2(紫色の岩手) | cx0293のブログ(登山やカヤック、海外旅行など) (ameblo.jp)

当時、あまりにも感動したので盛岡や姫神山で何人かに尋ねたけど、岩手ではあの紫色の夕焼けが日常風景だからなのか淡白な反応にショックを受けたくらいだ。そんな経緯でずっと気になっており、初めて途中下車してみた。通勤通学時間帯を過ぎると窓口が閉まる、無人駅に近いくらいの小さな駅だった。観光案内所ではないけど駅舎のそばにそれっぽい建物があったので訊いてみる。「以前この辺りの紫色に輝く夕焼けが綺麗でビックリした。紫波って地名はそういう由来があるもの?」
この質問が意表を突いていたためか、受付の若い女性は固まってしまった。交代した年配の女性が落ち着いて教えてくれるには「そういう話は聞いていない。もともとシワは『志和』の字を使っていた。旧市街の方で赤く輝く石があって『紫波』の字に変えた」との説明を受けた。そうか、岩手県の人にはあの夕焼けが当たり前に見られるものなのか。自然現象なだけにそれが当たり前なのはちょっと羨ましくなった。

折角なので市内をちょっと散策してみた。名所はいろいろありそうだし、東根山もオススメだと聞いた。ただ、この日は昼時に一関に用事があり次の鈍行に乗りたかったので、近くの勝源院の逆さかしわに絞った。片道20分をポンチョで歩く。ヤマならマスクを外していられるけど、町を歩くには流石にマスクは必須itemだ。しかも、お盆の期間だったので墓参りに訪れている家族が多かった。

<駅の看板、その裏手の珍しい葉っぱ、勝源院の本堂裏にある逆さかしわの大木(2)>

ここに群生していた黄色い花は葉っぱも違うし、どう見てもマリハダケブキではなさそう。でも、この時期どこか他でも見たような気もする。オオハンゴンソウなのか。それと、雨が降ってきていくら焦っていたとはいえ、田沢湖駅→東京駅行きの長距離切符を落としてしまったのは失敗だった。途中下車してこの先の80%くらいの距離が無駄になってしまうのでは何とも悲しい。

餅膳を求めて一関でも途中下車

一関と言えば餅文化の歴史がある町。栗駒山登山はここ一関が起点となっていたので、もう馴染みの駅、馴染みの餅膳なのだ。これが楽しみで秋田駒ケ岳に登ったと言ってもウソではない。因みに旅のHPのトップページの「日本国内」のアイキャッチ画像に載せている写真は一関の餅膳なのだ。
<一関で餅膳(2)>

餅膳の重箱には8種類の餅が入っており、真ん中には口直しでちょっと酢が掛かった大根おろしが入っている。おかず風の餅が4種(干しえび、生姜、じゅうね、納豆)だけでなくお菓子風の餅も4種(ずんだ、黒ゴマ、あん、くるみ)入っているのが嬉しい。この他に雑煮が付いている。大根とニンジンの細切りもサクサクとした歯応えで美味しい。
盛岡に寄って、紫波の由来をcheckして、餅をたらふく腹に納めて、こうして安心して東京に戻る事ができた。さて、ソールがベコベコに剥がれてきたので、もう登山靴を買い換えないといけないな。

【2022.4.17追記】写真をまとめてアップした所に、ヒメカンスゲorミヤマカンスゲと追記

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