晩夏の立山①(弥陀ヶ原から室堂へ)

登山時期: 2020.8月下

大まかな行程: 富山で前泊→弥陀ヶ原→室堂→雄山→室堂から弘法へ→信濃大町へ

富山市に前泊して、白海老を喰らう

立山には8年くらい前に登っている。雄山(標高3003m)に登ってそのまま大汝山~真砂岳、別山へと縦走して、夕方ヘトヘトになって雷鳥沢に下山してきた。ホント、朝7時くらいにstartして夕方5時くらいまでずっと歩きっぱなしだった。雄山に登った所で、社務所に貼ってあった「あと5時間」って言葉に騙された。プロには5時間で行けても、素人には無茶だったのだ。でも、7月末だったので稜線に長く垂れ下がった雪渓がいく筋も白く輝いていて、緑色の山肌とのcontrastがとても綺麗だった。

ただ、何の苦もなく標高2450mの室堂に辿り着けるのはありがたいけど、如何せん立山へ行くには費用が掛かり過ぎる。しかも信濃大町から室堂まで乗り物尽くしで急かされた印象がある。そんな訳でずっと足が遠のいていた。

で、コロナ禍に揺れた今年の夏に久々に訪れてみた。今回は富山in、信濃大町outで縦断するJR(+アルペンルート)のオトクな周遊券を買った。それでも普通の登山より2倍くらい出費が嵩んでしまうけど、仕方ない。

<高山線の車窓にて、富山駅構内>

富山駅に降りたのはおそらく約30年振りじゃないか。当時の駅の面影は全く無く、最近はどこのJRの主要駅を再訪しても無機的で同じような駅舎ばかりでツマラナイ。京都駅も高知駅も長野駅も同じような印象だ。遠い昔の記憶にあるそれと変わっていないのは釧路駅くらいか。北陸新幹線が金沢まで開通したので、おそらくその頃に改修工事が終わったんじゃないか、かなり新しい駅舎だった。富山市街を走る路面電車の駅も高架下に垂直に入線していたのがuniqueだった。

駅の観光案内所でオススメの寿司屋を訊いてみる。何軒か教えて貰ったうちの1軒に行ってみる。市内の建物はどれも新しかった。そんな景色を見ながら総曲輪(そうがわ)に向かう。繁華街だけど、コロナ自粛なのかそんなに人出は多くなかった。

寿司屋のカウンターに座ってセットメニューを頼む。ビールを頼むがアッサリと「うちはアルコールを置いていない」と言われてしまう。なかなか勇気ある営業方針だ。もしかしてこの方が客席の回転率が高まるのかも知れない。インバウンド需要で外人客も増えたのか「No card, Only cash」と大きく書かれた紙が貼ってあった。カウンターには水道管が通っていて、チョヨチョロ水が落ちている。こういうのは初めて見たけど、オシボリだけ使うより衛生的だ。

寿司も美味しい。バイ貝はコリコリ、鱧も富山名産の白海老も寿司で食べるのは初めてだった。白海老せんべいとは違う。ご主人と会話するが「どこから来たの?」と訊かれて、「すいません、東京です」とつい前置きして答えた。「でも立山登るんでしょ、だったら健康なんだから来てもらってありがたい」と返してくれる。こちらこそありがたかった。

<アジのゼリー乗せとバイ貝、 白海老とカニ>

10貫でセットメニューは完了。追加でコハダとか〆鯖を握ってもらう。酢で〆めているのも美味しい。なんと、この日は駅前のホテルで貰ったクーポン券のお陰で1000円引きになったのも嬉しい。路面電車も只になった。ありがたくもあり、でもそれだけコロナ禍で経済が大変だって事もホントなのだろう。

弥陀ヶ原から上がって行く

行程: 弥陀ヶ原散策(11:30)→餓鬼の田から登山道へ分岐(11:50)→天狗平(14:30)→室堂(15:30)

さて、富山→立山→美女平と乗り継いで室堂ゆきのバスに乗る。立山駅や美女平駅にも見所があるだろうけど、標高が低いので如何せん暑くて断念。そのまま弥陀ヶ原まで上がっていった。

<木道、弥陀ヶ原ホテル>

弥陀ヶ原ホテルはコロナ禍で今期休業で、板が打ち付けられており玄関は固く閉ざされていた。

<木道の左右に池塘が並ぶ、初めて知ったイワイチョウ>

弥陀ヶ原は穏やかな湿原が広がっている。今回はここから室堂まで登っていく。

湿原を抜けるとそのまま緩く登っていくものと思っていたらそうでもない。一気に一の谷へ下りると笹の背も高くなり、川を渡る。そこから登り返すのだが、鎖場もあって弥陀ヶ原や室堂の雰囲気とはどうにも合わない。この日は登りだったのでいいけど、ちょっと下りだと足元が不安定になりそうで使いたくない道だ。

<一の谷の橋、鎖場>

天狗の鼻がどこなのかハッキリと判らないまま、天狗平を通過した。室堂まであと30分くらいって所で雨が降ってきた。下界は快晴で弥陀ヶ原を歩き始めた時にはまだ晴れ間が半分くらいあったのに夕方になって崩れてきた。

この日の花をまとめて紹介

先ずは弥陀ヶ原の花々から見ていこう。最初の5種類は天望立山荘の傍で撮ったもの。湿原で目立ったのはワタスゲとイワイチョウ。シモツケソウの蕾を一の谷で見つけたのは収穫だった。

<順にヨツバヒヨドリ、ヤナギラン、トリカブト、ニュウ、アキノキリンソウ(orギオン)、シモツケソウ、ワレモコウ、ワタスゲ、イワイチョウ、リンドウ 、モミジカラマツ、シモツケソウの蕾かも>

続いて、一の谷~室堂で見つけた花々。マルバダケブキは僅かに咲いていたけど、かつて仙丈ケ岳で群生していたのを想い出す。ウサギギクは珍しい。枯れかけなのか花びらが半透明なのもあった。

<マルバダケブキ、ダイモンジソウ、トリアシショウマ、ニガナ、シナノオトギリ、シダ、木道の端にキノコ、水草、ナナカマド、ミヤマハハコグサ、ニガナかも、ウサギギクかも>

みくりが池山荘に泊まる

それなりに宿泊者はいるけど、コロナ禍のため2段ベットは半分空けてくれていた。向き合って食べられたけど、どこも透明な衝立で仕切られているので、なんとも距離を感じる。

夕暮れ時には雨も上がったので、明日の快晴を期待。

<夕食(2)、立山の夕陽、みくりが池と浄土山>

【2021.8.15訂正】花の名前に誤りがあったため、訂正しました。

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