巳年にまつわるエトセトラ

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
旅ブログらしく、干支にちなんで巳(蛇)にまつわる話を集めてみました。蛇の写真を載せるのはちと微妙なので、蛇そのものではなく蛇にちなんだ写真に限っています。
ただこれだけでは味気ないので、最後の方に
・旅先で見つけたカワイイ動物の写真を2枚
・今年の年賀状写真
を付けています。

(1)国内旅にて

●三河・佐久島の蛇
まずは三河・佐久島旅の1枚から。佐久島についてはつい先日ブログをアップしたばかりだが、そこでは蛇についてはスルーしたので、ここでちょっと紹介。かつて宇賀神さんって姓の方と面識を得たことがあるが、その由来など考えてみたこともなかったな。
======
福の蛇-宇賀神 
弁天堂の隣り、宇賀神祠のご神体は顔が老人で体が蛇です。弁天様の冠の上にも小さな蛇がとぐろを巻いています。蛇は弁天様のお 使い、また宇賀(迦)神は弁才天の変身した姿として特に関西などで崇められます。
しかし宇賀神がなぜ、弁才天にごく近いのか、なぜ蛇体なのかはよく分かりません。弁才天は智の神ですが、広い意味の智には人々 の生業、つまり農業や漁業も含まれます。日本の神話では「ウケモチ(保食)」の神は豊饒の神であり、その言葉の変化とも言われま す。
一方蛇はエジプトからインド、アジアでもさまざまに敬われています。とくにアジアでは竜とともに水の神、農業の神とされていま す。このあたりが一緒になって宇賀(迦)神になったのでは、といわれます。竹生島にも江の島にも竜神伝説があり、弁才天がそれを 鎮めたとされています。

======
※出典
https://www.sakushima.com/art/fes_99/lectur/page01.php
<佐久島の弁財天にて> ※2021.11
<津和野の日本遺産センターに展示されていた大蛇> ※2024.11

●津和野のヤマタノオロチ
2024年秋、初めての島根県で津和野を歩いていると、伝統行事に使われるヤマタノオロチ(大蛇)が飾られていた。角が生えているので「これは龍では?」と質問してみると「津和野のオロチは出雲のオロチよりも派手」なのだとか。そう、島根県は神話の世界が残っているエリアだった。

●穴八幡神社の蛇と亀
前から気になっていたのが、早稲田・穴八幡神社の鳥居の下に置かれた亀と蛇の像。鳥居の下で片方は威嚇するように、もう一対は和やかに向き合っているように見える。
<早稲田の穴八幡神社:北の鳥居に玄武が鎮座(2)>

======
四神の中でも玄武は、一般的に蛇が亀に絡みつく姿で描かれる。「玄」は北・冬を象徴する色である黒を、「武」は鎧をつけて武装している動物、すなわち亀を意味する。
======
https://www.nabunken.go.jp/shijin/about/kitora-atlas/mural/post.html

恥かしながら、自分の中で四神の「玄武」と蛇・亀が繋がっていなかった。キトラ古墳にまつわるHPを見てようやく意味が分かったのだ。蛇は金運、亀は長寿って現世的な発想はさておき、この構図は玄武そのものだった。確かにこの鳥居が立つのは穴八幡神社の北側に位置している。
ちなみに鵺のような想像上の生きもの・亀蛇が八代にあるらしい。
======
「ガメ」の愛称で親しまれている亀蛇(きだ)は、亀と蛇が合体した想像上の動物です。およそ1300年前、妙見神(みょうけんしん)が中国から海を渡ってくるときに、この亀蛇に乗ってきたといわれています。
======
※出典
https://8246.kinasse-yatsushiro.jp/myoken/articles/view/28

●蛇紋岩
登山界隈で蛇と言えば蛇紋岩。唐松岳や谷川岳を登っていると滑りやすい蛇紋岩の岩肌がみられる。
別件でちょっと読んでいた以下サイトによると、雨生山(三遠県境の宇利峠と瓶割峠の間)にもあるらしい。岩に無頓着な私は意識することもなかったが、確かに雨生山と金山の間に岩が剥き出しのエリアがあった。自分のブログを見返すと中宇利丸山で「蛇紋岩」と明記している看板も映っていた。すぐ西側にある比丘尼城址も蛇紋岩地だったのか。
======
富幕山から尾根伝いに西に向かうと雨生山があります。この山からも蛇紋系の水石が産出します。車で301号線を進めば宇利峠に至り、ここから雨生山に入って雨生山石を探石するのですが、
======
※出典
http://suisekiteishu.blog41.fc2.com/blog-category-25.html

あと、蛇と遭遇する話を以前Amebaブログに書いているのでご参考まで。

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12777839483.html

(2)海外旅にて

●カンボジアの蛇神ナーガ
アジアで蛇が敬われている例として唯一記憶に残っていたのはカンボジアのシェムリアっプで見た石像だ。ムチャクチャ暑い日にアンコールワット、アンコールトムなどをツトゥクトゥクで周っている途中で撮った1枚。当時は大きなコブラの像かと勘違いしていた。ただ、巳年を目前に控えてネット検索して、ようやくそれが7頭の蛇神ナーガを表現したものだったと知った。
<アンコール遺跡地区で見つけたナーガ像> ※2017.4

【註】この写真は古いiPadから取り出せなくてiPad画面を撮影したもの。そのため、余計な背景が映り込んでいます。

======
ほとんどの遺跡で見かける蛇神です。ヒンドゥー教と仏教の両方で祀られる有名な守護神であり、遺跡だけでなく道路などでも見かけます。遺跡等の欄干はナーガ像の一部でもあるので、登ったり座ったりしないように
======
※出典
https://cambodianote.com/gods_in_cambodian_temples/
======
アンコール遺跡群のあちらこちらで、見ることが出来る「蛇神・ナーガ」。カンボジアでは、海や湖の守護神、不死のシンボルとして、また、天上界とこの世をつなぐ架け橋としても、崇められています。
======
※出典
https://note.com/alberocooking/n/nefb554b35b97

(3)蛇にまつわる地名あれこれ

【裏磐梯】
裏磐梯に蛇平という地名がある。五色沼バス停で降りて、川を渡って西大転の方に歩いてすぐの地域。そこの宿の夕食で白桃が丸ごと1個デザートとして出てきたのがなんとも贅沢だったので、今でもよーく覚えており裏磐梯を再訪する折にはリピートしている。

【山形】
ネットを探すと山形県にもいくつかある。以下を読むと「沼」や「島」が付く地名と似ているのかも。
======
土砂崩れや水害などの多い場所は、後世にそのことを知らせるため〈蛇〉の文字を地名につけたと聞く。県内でも酒田市の蛇場見、上山市の蛇柳、東根市の蛇木など各地に散見されるが、たしかに丘陵地であったり川が流れていたりする。
======
※出典
https://www.okaze-gatta.jp/essay/%E5%B1%B1%E5%BD%A2%E3%81%AE%E3%80%88%E6%98%94%E3%81%AE%E3%80%89%E6%80%96%E3%81%84%E8%A9%B1%E3%80%8C%E5%85%B6%E3%81%AE%E4%B8%83%E3%83%BB%E8%9B%87%E3%81%9E%E3%82%8D%E3%81%9E%E3%82%8D%EF%BC%8F%E3%81%9D/

【滋賀】
琵琶湖西岸にある白髭神社がヘビにまつわる場所だとか。ネット検索すると確かにその近くに「蛇砂古墳」がある。
======
蛇砂古墳
滋賀県高島市鵜川、白髭神社から西近江路(161号線)を南西に1.4m程行った所(バス停=鵜川)から北に登った辺りにあるとのことで寄ってみた。

======
※出典
https://osaka-tom.hatenablog.com/entry/2024/11/02/071811

(4)蛇から連想する言葉

ヘビと言えば「蛇足」、「蛇の道は蛇」、「女の情には蛇が棲む」などどちらかと言うとnegativeな言葉が思い浮かぶ。が、実はそうした側面ばかりではない。
【金運】
景気のいい話だと蛇は金運に繋がると聞く。白い蛇を夢で見ると宝くじが高額当選するって伝説があるが、脳内においてもまだそうした幸運に恵まれたことはないなぁ。
【辰巳天井】
新日本プロレスに設立時のメンバーでもある藤波辰巳がいた。その一方で「辰巳天井」って相場格言もある。昨年は株価が歴史的に高水準にあり、それがまさか辰巳天井にならないようにこの調子を維持して欲しいと思うもの。
【医術】
医療機関のマークに蛇が棒を伝っている図柄がある。病院や歯医者でも使われているしWHOのマークもそうだ。医療と蛇にどんな関係があるのか、その解は西洋にあった。
======
「アスクレピオスの杖」と呼ばれるギリシャ神話の医神の神具が、現代で医療の象徴とされているからなのです。……(中略)……
最後の疑問ですが、なぜアスクレピオスは蛇を連れ歩いていたのでしょうか。これについては諸説あります。有名なものを記すと、
・蛇の何度もの脱皮は生まれ変わりを表し、死と再生の象徴となったから
・蛇の毒は人を殺しうるが、適量使えば薬ともなりうるから
・古代エジプトでは蛇は知恵の象徴であり、高貴な動物だったから

======
※出典
https://kkenglish-blog.com/who_symbol/#toc6
他サイトにも「蛇は蘇生の象徴」と書かれていた。但し、ギリシャがホントに西洋に含まれるかについては論議がある。その件はAmebaブログでちょっと触れたことがあるので以下をご参照。

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12861866883.html

【海千山千】
「竜頭蛇尾」より肯定的な言葉が「海千山千」。確かに龍と蛇は形状が似ている。
【蛇行、蛇口】
これまであまり考えた事もなかったが、改めて連想してみると龍は空を飛ぶもの、蛇は地を這うもので連想しやすいのは水の流れ。川は「蛇行」するし、キッチンの水道は「蛇口」から供給されている。
<細岡展望台から眺めた釧路川が蛇行> ※2019.6(再掲)

※出典ブログ

https://ameblo.jp/cx0293/entry-12603602460.html

(5)かわいい動物たちも紹介

<イタリア・シウジ高原で出会った刈りたてのアルパカ> ※2019.7(再掲)
<尾瀬・大清水から三平峠に向かう途中でシカがひょっこり> ※2024.9

(6)今年の年賀状

昨年出版した拙著「旅は出たとこ勝負でうまくいく」のあとがきで越後の低山旅についてちょっと触れた。樋曽山・角田山・弥彦山に登ったのが2024.4であり、そのショットを6枚組合せて今年の年賀状に印刷した。下段の花は順にユキワリソウ(オオミスミソウ)、カタクリ、キクザキイチゲ。
<今年の年賀状>

Follow me!