釧路湿原カヌー

細岡で中国人touristと出会う

この旅では、外国人touristに何組も出会った。

釧路湿原・細岡ビジターラウンジでパンフレットを見つけたので、当日になって唐突にカヌーツアーを頼んだ。実はその前日にも釧路川源流を下ったので2日連続になる。ガイドさんを待っていると、2人の外人さんが入ってきてカタコトの喋りで受付の人に「カヌー……」と言っている。

全ての案内所で外人対応をできる訳じゃないし、どうも会話が成立していない。日本人がスマホの音声翻訳を持ち出した時点で弱気な対応になっている。私も怪しい国にトコトコ出掛けていくが、英語はいい加減。特にヒアリングできないので苦労している。

カヌーガイドさんと中国人を繋いでみる

でも、彼女達にとって折角の訪日旅行だろうし、わざわざ釧路湿原まで来ている。少しして釧路市内からガイドさんが到着したので、カヌーに空きがあるのか訊いてみた。OKだったので、私が間に入って雑な英語で外国人に話してみた。

私(以下W): この人カヌーのガイドさん。今からカヌーツアーに行くけどどう?
外人2名(以下G): (夕方釧路に戻る切符を見せて)これ大丈夫?
W: 微妙。乗れるかも知れないし、無理かも。でもNGだったら、ガイドさんの車で送ってくれるよ。
G: カヌーに乗れる時間とか金額は?
W: (回答略)今日は何処に泊まるの?
G: 釧路市内。

だったら時間を気にしなくても大丈夫そうだし、一緒に2時間くらいの釧路湿原カヌーツアーに出発する事になった。外国に行けばそんなノリでその日の行動を即決する事もあるし、彼女達もその辺の感覚も判っているようだった。なので、話も早い。

細岡カヌーポートにて

車でカヌーポートに着いて、ガイドが簡単なコースや安全に関する注意事項を説明してくれる。当然彼女達に判る筈もなく、私がアバウトな英語でちょっとだけfollowした。なんかそんなの初めてだったのでスリルもあって面白い。

大まかな絵を書いて、ここはゴール地点なのでこれからまた車で遡上して、ここまで10kmほどカヌーで下ってくるよ、と伝えると、「あー」と腹落ちしてくれた。こちらもホッとする。

<簡単な落書きメモ>

W: 我是日本人。您是中国人。
G: 対(トエ)
W: 中国には7回も行ったよ。上海、厦門、西安、成都(チェンド)、……
G: チェンドー! 私達は成都から来たの。
W:  ジュウジャイゴウ(九寨溝)も歩いたよ。
G:  (笑顔)

「ウォーシーリーベンレン」から始めて、ちょっと会話する。やっぱり「トエ、トエ(そうそう)」と聞くと、中国で盛んに聞いただけに笑えてくる。

いろいろ話していくと彼女たちは既に訪日4回目だった。北海道も2回目だと云う。前回は登別でクマを見たとか。少なくとも釧路湿原に来るくらいなので、爆買いtouristではなく、純粋に自然を楽しみに来ている人達だ。

1つだけ迷ったのは貴重品の扱い。私はリバーカヤックでチン(沈没)した事があるので、いくらwater-proofなbagを貸してくれてもスマホとか財布をカヌーに持ち込むのは避けたい。でも、彼女達はpassportとか持参しているかも知れないし、貴重品はガイドさんの指示通りにカヌーに乗せてもらった。それに、スマホで写真撮るから離せないし。

W: カヌーは初めて?
G: 私はやった事ある。
G-2: 私は初めて。
W: OK. First time, and professional.

釧路湿原カヌー start

そんな感じで釧路湿原カヌーがスタートした。中国人2人と私、ガイドさんの順で前から乗り込んでいく。

<出発準備中>

釧路川をカナディアン・カヌーで下る。最初は塘路湖(もしかして違っていたかも)から艇に乗り込み、すぐ釧路川に入って行く。

ガイドさんが4000分の1と言っていたけど、川を4km下るとようやく標高が1m下がるくらいでとっても緩やかな傾斜。流れはあるので、パドルを漕がなくてもそれなりに進んでいくし、ガイドさんが最後尾で舵取りしてくれるので、カヌーの進行方向がブレる事もない。

漕ぎ始めて、3分くらいで直進すると岸にぶつかりそうになった。先頭を漕いでいた中国人が
Which direction are we going ?
と流暢な英語で訊いてきた。そりゃ心配になる。たった3分で楽しいカヌーが終わりでは困ってしまう。ガイドさんに訊くと「直進」と言う。
Go straight !
と伝えながら、私も本当かなあと疑ってしまったが、少しすると確かに左側に水路が繋がっていた。

<湿原カヌー>

カヌー後半戦

10kmの行程のほぼ半分、5kmを過ぎた所で疲れてないか訊いてみたが、前の2人は楽しんでいるみたい。
W: Are you tired ?
G: No. enjoy !

釧路川は右に左に蛇行していく。キタキツネこそ見られなかったけど、川沿いでエゾシカを3頭、アオサギを2羽、オジロワシ2羽くらい見られた。オジロワシの巣と雛も見えるよと教えてもらったけど、ハッキリ判らなかった。

ガイドさんが見つけたのよりも、中国人が「ディア(鹿)!」と叫んで見つけてくれた方が多かった。

<エゾシカ>

<アオサギ>

予報では曇りだったけど、この日も快晴。暑いくらいのいい気候に恵まれた。上の2つの写真を見ても草木の緑が眩しい事がスッと伝わるんじゃないか。

JR細岡駅でお別れ

2時間くらいのカヌーが終わり細岡ポートに着いてから、聞いてみた。
W: Are you friends ?
G: 彼女はドーター(娘)だよ
W: You are mother !

参った。よくよく顔を見比べてみれば年の差は現れていたかも。でも、私が良い方に勘違いしていて助かった。最後に3人で記念写真を撮って「ツァイチェン(再見:さようなら)」で別れた。言いながら、「チェン」は語気強く吐き出すように発音するのを思い出した。なかなか楽しいカヌー旅だった。

<記念写真は省略>

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