伊那谷でのんびりと

南箕輪村は飯田線沿線

時期: 2019年のGW後半

蝶ケ岳登山から無事下山して上高地から松本に出た後、飯田線で南下した。学生時代の先輩が南箕輪村に住んでいて、そこを訪ねてみる事にしたのだ。先輩曰く、南箕輪村はここ数年ほど長野県内で最も人口増加率が高い自治体だと言う。飯田線沿線と聞いただけで過疎のimageに囚われていたが、中央線の茅野からも高遠経由で道路が伸びているため近い。どうやら飯田市(下伊那地方はここから更に1~1.5時間も遠い)のimageとは別物らしい。広い農地が広がっていて移住者を受け入れる余地もあるらしいのだ。

GW前半にメールをやりとりした事もあって、ちょうど上高地・蝶ケ岳に出掛ける所だったので帰り道で立ち寄った。南箕輪村は伊那市の北隣りで、伊那谷の緩やかな傾斜地に広々とした土地だった。伊那谷って言葉からもっと狭い山間の谷地を想像していたが、緩やかな傾斜地に広い平らな土地が広がっているのは意外だった。天竜川より高い位置に諏訪湖から用水が通っていて、そこより低い位置の田んぼに水を引いていた。用水より上は畑が多いとか。ただ、残念な事にこの景色を上手く伝えられるような写真が撮れていなかった。

<<東に仰ぐ仙丈ケ岳>>

その東側の正面に仙丈ケ岳(標高3033m)など南アルプスの山々が大きく見えた。自分が登ったヤマは親しみを感じる。仙丈ケ岳は標高2000mの北沢峠から丁度1000m登るのでハードだったけど、仙丈カールと稜線が美しい所。伊那谷から南西の方向を振り返ると、中央アルプスの山々が聳えていた。木曽駒ケ岳は奥に隠れていたみたいだけど、立派な山塊で、山頂部はまだ雪に覆われていた。

諏訪湖から流れ出た天竜川は遠州灘(静岡県西部)に流れていき太平洋に注いでいる。国道152号線は浜松付近も南北に走っているけど、この辺りにもR152の標識が出ていた。まあ茅野辺りでもR152の標識を見かけたのでその途中に当たるのだろう。

<国道152号線>  <ローメンのPOP>

駒ヶ根名物のソースかつ丼は食べた事あるけど、羊肉を使ったローメンも名物らしい。

先輩とはおそらく15~20年振りの再会だったと思う。全然変わらない。ご両親が農業をされていたとの事で広い家だった。そこに2泊させてもらい夜はあれこれ話しながら夜遅くまで呑んだ。

大沼湖でカヤックして、SUPして

伊那谷・駒ヶ根でactivityを3つほど。いずれも天竜川の西側になる。

大沼湖でカヤックした。着いてみて驚いたが、なんとも小さな人造湖。かつて泊まった事がある駒ヶ根ユースホステルの傍だった。中央アルプスの雪解け水が冷たいのでそのまま田んぼに流せない。なので、ここに溜めておいて温度がぬるくなったら田んぼに引くのだと聞いた。

カヤックを漕ぐにはちょっと地味。でも、ここは湖こそ小さいけど眺めは最高。やや標高が高いので、周囲を見回すと山肌の所々に桜が咲いていた。しかも、雪を被った中央アルプスの山々も見える。目を凝らせば駒ヶ岳ロープウェイが見られたかも知れない。

これで2019年も国内でカヤックできた。11年連続の国内カヤックを達成。開腹手術の後ここ10年ほど毎年国内と海外で最低1回ずつはカヤックしている。海、川、静水(湖)いろいろあれど途切れないでなんとか継続してきた。海外はどこ行こうか?
【後日談】2019年は、釧路川でも2日連続でカヌーしたし、北イタリアのリエンツァ川でカヤック、NZ北島のワンガヌイ川でもカヌーできた。

中々面白いガイドさんで、地方勤務でゆっくりできた後は東京勤務が辛くなって地方勤務に憧れてしまったとか。でも60才定年まで無事に勤め上げて今はガイドされているとか。明るい笑顔で幸せな毎日なのだろうと容易に想像できた。私が昨年会社を辞めたと話すと「まだ60才までタップリある。どうすんの?」と笑われた。

<大沼湖の付近の森で発見> ※3つ目はニリンソウか

で、ガイドさんの推しもあって、引き続きSUPを初体験した。SUPとはStand Up Paddlingの略で、サーフボードみたいな板に立って乗り、1本のパドルで漕ぐスタイル。奥多摩で遊んでいるのは見た事あったけど、水面に立つのに抵抗があったのでパスしていた。最初は座った状態で岸から離れて、膝立ちになってバランスを確かめながら立ってみる。

でも揺れるのだ。両足のバランスが均れていないのか、両足が小刻みに揺れるので左右の湖面に小刻みな波紋がずーっと広がっていく。落ちるかと思ったが耐えていた。ガイドさんが「両足のバランスが取れていないので揺れている。両足を交互に揺らしてバランスが取れる位置を探して」とadviceしてくれる。自分で揺らすのもリスクありそうだったが、やってみると確かに波紋が消えた。

体幹が弱いけどなんとかなったって事。後は安心してパドルを漕いでいく。カヤックのパドルと比べてSUPのパドルは長い。片方の手でパドルの先端を抱えて後ろに軽く押し出す感じでスッと進んでいく。反対側の手は添えている程度だ。

千畳敷カール(標高2612m)

<今回、千畳敷にて>

木曽駒ケ岳は夏に登っている。1月にもロープウェイで千畳敷まで上がった事がある。正直なところGWもほぼ同じ景色だった。ただ、雲に覆われていて宝剣岳は見えない。浄土乗越の辺りも霞んでいた。僅かに晴れ間が出た部分だけzoomで撮ったのがこの写真。GW前半の蝶ケ岳登山でバテていたのでこの日は軽装で出掛けたし、全く登る気は失せていた。

<2016.1_千畳敷から宝剣岳や浄土乗越を望む>
<2015.7_浄土乗越から千畳敷を見下ろす>

美和湖と高遠

別の日には先輩の車で天竜川の東側にドライブした。美和湖を通って高遠に出掛けたのだ。

美和湖(美和ダム)は湖面が青くて綺麗だった。川岸も芝生が整備してあってかなり開放感があった。事務所で「美和ダムカード」をゲットする。長野県には沢山のダムがある。いつも上高地や乗鞍に向かうバスで見るのが稲核ダムだ。バス停もあるので何度も上高地や徳澤へ通ううちに覚えてしまった。

<<美和湖>>

高遠は桜で有名な町だ。かつて別の町だったが、平成の大合併で伊那市になったとか。桜の時期は過ぎてしまったが、高台の緑が鮮やかだった。かつて城の堀だったらしい窪地にも草が生い茂っていて、そこも遊歩道として通れるように整備されていたのがありがたかった。

<高遠城址>  <高遠そば>

そばつゆは2種類。手前が焼味噌だれ、もう一つがくるみダレだった。くるみは長野県でよく提供されるもので美味しい。焼みそはちょっとしょっぱいかも。

先輩とは伊那バスターミナルで別れた。そこでツバメの巣を発見。親ツバメもヒトにかなり近い所でひと休みしていた。

<<バスターミナルのツバメ>>

飯田線よりも高速バスが快適だし速いし本数も多いと言う。飯田線の時刻表はスカスカに空いている。私は腰が痛くなるので滅多に乗らない高速バス。でも、JRだと6,500円くらいなのが3,700円で東京まで行けるのは確かに安い!

【2022.11追記】
今月NHK「ブラタモリ」で安曇野を取り上げていた。信州には4つの平地があるとか。北から順に善光寺平、佐久平、松本平(安曇野もココ)、伊那平。
私が伊那平で開放感があると感じたのはやっぱり正しかったのだ。他と比べて、天龍川に向けて東西からゆるい傾斜があるのが特徴的。とにかくここは空が広く感じられるエリアでオススメだ。しかも南アルプスと中央アルプスの雄大な山塊に包まれている。

Follow me!